らをた広島

食べ歩きブログ

ベイシティローラーズ 青春に捧げるメロディー 1976年


小学校高学年になると友人が色んな事教えてくれる。
そんな中にラジオ番組がある。
あの頃ブームだったのは地元の放送局RCCが日曜日夕方にやっていた柏村たけあきのサテライトNo.1と土曜日深夜の笑福亭鶴光オールナイトニッポンサンデースペシャル。
最初はわけもわからず聴いていたが番組でかかる音楽が気になるようになってきた。
当時邦楽で友人たちがハマっていたのはピンクレディやキャンディーズなどのアイドルやビートルズフォークソングやニューミュージックと呼ばれるジャンルのアーティストたち。
どれもこれもピンと来なかったが自分の琴線に触れたのが当時人気上昇中イギリスのバンド、ベイシティローラーズだった。
初めて聴いたのは「ロックンロール・ラブレター」って曲でカセットテープに録音して何度も何度も聴いたもんだ。
その頃のベイシティローラーズはそのビジュアルから女の子専門のアイドルみたいな雰囲気で男子でベイシティローラーズのファンと言ってはいけないような雰囲気がありどうしてもファンだとカミングアウト出来なかった。
だから誰ともそのベイシティローラーズの話しが出来ず寂しい思いをしたもんだ(笑)
おそらく隠れキリシタンってこんな心境なんかも知れない。
それでもラジオからドンドン彼らの新曲が流れてくる。
6c88074d.jpg

意を決してレコード屋に行き遂に初めて自分でガイジンのアルバムを買った。
確かベストアルバムだったように思うが文字通り擦り切れるほど聴いた。
それから暫くしてベイシティローラーズのオリジナルニューアルバムが発売された。
それがこの青春に捧げるメロディー(原題dedication=捧げもの)。
これは当時中学生の自分には革新的なアルバムで英語の歌詞が空で歌えるくらいに聴きまくった。
当然ながら当時のメディアもベイシティローラーズの扱いは酷く単なるジャリ向けミーハーバンドとして処理されていた点がビートルズとは違うところだ。
確かに売り出し方に問題はあったし見た目重視でメンバーの音楽的実力が伴っていなかったのもまんざら噂だけではなかったのだろう。
しかし今改めてこの青春に捧げるメロディーを通しで聴いてみるとそのクオーリティの高さに驚かされる。
78db7c75.jpg

非常にアップライトなポップスありヘヴィーなハードロックありリメイクありなかなかのバラードありとアルバム自体の組み立ても素晴らしい。
中でもボーカリストレスリーの独特な声はホレボレするくらいに曲を盛り上げてる。
ポップスアルバムとしての完成度は群を抜いている。
残念ながらこのアルバムを頂点にベイシティローラーズの人気はその実力と反比例し下降線をたどってゆく。
不幸にもあの頃はマトモに音楽性を評価してもらえなかったベイシティローラーズだがこのアルバムについては正当な評価をしても良いと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=CGD27WgtKhI

http://www.youtube.com/watch?v=MNLdOx5zcRs