らをた広島

食べ歩きブログ

シティターボ

私の下を通り過ぎていったバイク達シリーズ(笑)第七弾!!
過去の遍歴を赤裸々に綴るこのシリーズ。
今回は番外編・ホンダシティターボ初期(AA)型


広島に帰ってきて職場の同僚がクルマを買い換えるから買わないかと話しを持ちかけてきた。
そのクルマと言うのが黒のホンダ・シティターボだった。
格安で譲ってもらったそのシティターボは自分にとって初めてのマイカーってやつだった。
しかもオリジナルはフェンダーミラーだったがドアミラーに換装してあった。
何年落ちだったかも幾らだったかも忘れたがなんとも思い出深いクルマ。

なんせ軽自動車よりほんの少しだけ大きなボディのボンネット下にノーマルの67馬力のER型1200ccシングルカムエンジンに対して高価なチタン添加シリンダーヘッドやPGM-FIと名づけられた電子制御噴射装置を採用、小型ターピンで0.75barのブーストをかけることによって、最高出力は実に一気に100馬力/5500rpm!を発生させたターボエンジンを無理矢理押し込み2000ccクラスのスポーティカーを凌ぐ性能を獲得していた。
そのターボ過給された加速はいかにも強烈。
100km/hまでなら3000cc+ターボのフェアレディZとタメだった。

アフターファイヤーが派手に鳴りエンブレ時はパンパンとやかましいクルマだった。
シティターボは性能が高いだけでなく内外装にもより一層の遊び心を盛り込んだことでも人気を高めた。
外観ではフォグランプを組み込んだ大型フロントバンパーが採用されたのに加えてボンネット上にはエアチャンバー分の出っ張りをカバーするパワーバルジも装着。
内装も黒と赤を組み合わせた大胆なカラーリングのバケットシート・アナログタコメーターの中央にデジタルスピードメーターを組み込んだインパネなど楽しさに溢れた設計が行われた。

しかし全開発進時は強烈なトルクステアに対抗してトラック的に立ち上がった非常に重いノンパワーステアリングを力一杯押さえ込んでいないと方向が定まらないうえショートイールベースが災いして直進安定性が無いに等しく当時の国産車にありがちなエンジンに完全に負けているしょぼいシャーシで無理なコーナーリングをやろうもんならプアなブレーキも手伝ってスカットルシェイクなぞ当たり前で常にギシギシあちこちから音がしていた。
高速に入るとパワーはあってもローギアードなMTと横風の影響をモロに受ける貧相なボディのコラボで100kmまでは良いのだがそれ以上はまっすぐ走らないから精神的に非常にツラく結果的にゆっくり走るしかなかった。

しかしそんなシティターボも当時凝っていた林道に持って行くとファンキーなラリーマシンだった。
フロントヘビー+超ショートホイールベースでハイパワーFFマシンだからサイトブレーキ引くと面白いようにリアが流れてコマネズミのようにダートを走る走る。
自分にしたらその派手な内装がスゲー悪趣味で恥ずかしかったしオーディオはおしるし程度で情けなかったがあのタイムラグ凄まじいどっかんターボはどうしても今でも忘れることができない。
やれ安全だ環境だと内燃機関を取り巻く状況は厳しいが若者のクルマ・バイク離れは当時若者だった我々に夢を与えてくれていたパワー競争時代のこういう尖ったクルマたちが現在存在できないという悲しい状況が作り出した現象かも知れない。

じゃじゃ馬と言えばここまで徹底したはちゃめちゃなクルマもこれからは出てくることはないだろうが今はバスやダンゴムシみたいなクルマばかり造って喜んでるホンダが最もホンダらしかった頃の名車だと思う。