らをた広島

食べ歩きブログ

レインボウ/虹を翔る覇者(1976)



原題はRainbow Risingである。
日の出ならぬ虹の出か?(笑)
あのディープパープルを脱退したリッチーブラックモアがヴォーカルにあのロニージェームスディオとドラムスにコージーパウエルを迎えて結成したのがレインボウ。
そのセカンドアルバムがコレである。
サードアルバムのライヴアルバムもその次のバビロンの城門もヘヴィーメタルの雛型と誉れ高いキルザキングを含みかなり良かったがアルバムトータルとしてみるとやはり虹を翔る覇者にトドメを差す。
静かなキーボーソロから始まるA面1曲目のタロットウーマンから立て続けにシンプルながらタイトなハードロックナンバーたたみかけられる。
新加入したトニーカレイがこれまでレインボウの弱点であったキーボードを補って余りある活躍をみせておりこれがこのアルバの価値を引き上げていると思われる。
特筆すべきはやはりB面の2つの組曲だ。
これはやはり圧倒的だ。
ディープパープルに対するレインボウの最大の特徴はヴォーカルのロニージェイムディオによる欧州の中世を思わせるおどろおどろしいまでの独特の世界観だ。
もともとリッチーブラックモアもこういう黒魔術的なイメージが好みだったのかも知れないがディープパープル時代とは明らかに曲調が異なるこの壮大な交響曲とも言えるこの2曲はレインボウのバンドの方向性を決定づけている。
やれ王を殺してまえだとか、それ神の予言の虹がどうのこうのとか、バビロンがどうなったとかとにかく古めかしくて猥雑な歌詞が満載だ(笑)
あとコージーパウエルの非常にパワフルなドラムスもレインボウの音楽性には欠かせないモノなのだろう。
ただこの手のハードロックバンドの弱点であるメンバー固定できないジンクスはレインボウにもしっかり生きておりこのアルバムと次のライヴアルバムだけ同じメンバーでその次のバビロンの城門でベースとキーボードが変わる。
そこまでは何とか主要メンバーがいたからサウンドはあまり変化しなかったがそれ以降ヴォーカリストのロニージェイムディオが脱退してレインボウは完全に行き先を見失いアメリカ受け狙いのポップバンドに成り下がってしまう。
自分もさすがにポップバンドレインボウには激しく失望し聞かなくなった。
更に時間が経つとディープパープルはリッチーブラックモアやイアンギラン、ジョンロードなどの黄金期のメンバーで再結成され再び輝きを取り戻すかに見えたが危惧していた通りそれもやはり長くは続かなかった。