らをた広島

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閃光のナイトレイド



DVDでみた。
テレビ東京アニメノチカラ枠で放送された大人向けアニメ。
数人の登場人物がある種の超能力を駆使して活躍するアクション物。
とまあこれだけなら掃いて捨てるほどある何の変哲もない番組なのだが世界観が第二次世界大戦前の日本国(当時は大日本帝国)、中華民国の上海東北部(後に満州国や大連)などを舞台としていることが斬新だ。
と言うかそんな舞台のアニメ見たことも聞いたこともない。
教科書で習った愛新覚羅溥儀リットン調査団やら歴史上の人物まで登場する。
4人のそれぞれ違う特殊能力を持つ主人公達が実際の歴史上の事件や時代の流れに翻弄されながら混沌とした昭和初期になにが正しいのかを必死に模索していく様を描いている。
作画は非常に丁寧で美しくCGの使い方やセンスも上質だ。
それにメイン挿入曲は葉加瀬太郎の「The Mission to Complete」ときたもんだ。
声優陣も実力派を揃え当たる要素は揃っている。
あの当時に日本軍が非常に強力な新型爆弾を本当に開発していたのか真偽は確かめようもないがなるほどこれをこの物語の根幹に据えるならこの時代と場所を舞台にするしかなかろう。
全体に主役の二人の男性キャラクターのイデオロギーのぶつけ合いに時間が割かれドンパチシーンが少なめで地味目な展開ながら14話+特別編2話と尺が決まっており決して間延びしていない。
これほどコアな世界観による難解なアニメも珍しいし若い世代にこんなマニアック過ぎる内容が受けるのか甚だ疑問ではあるが意図的に実験的な試みだとすると面白いと思う。
ちなみにこのアニメ、なかなか人気があったようで続編が作成されている。
まあこれだけの内容ならば当然の成り行きかな。