らをた広島

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ザ・パシフィック


ティーブンスピルバーグとトムハンクス製作のアメリカテレビドラマ。
5枚で10話のDVDで観た。
一般的によく描かれるヨーロッパ戦線を主題にしたバンドオブブラザーズに対して今回はほとんど取り上げられるコトがなかった太平洋戦線についてマニアックなまでに深く掘り下げてる。
要するに敵は我々ニッポン人だ。
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スピルバーグ+トムハンクスの戦争モノと言えばプライベートライアンだが冒頭30分のリアリティ溢れる凄まじい戦闘シーンは今も脳裏から離れない。
吹き飛ぶ手足、脳みそ、内臓、血に染まる海・・・本当の戦争にかなり近かった描写のようだったが当時はあまりのエグさに眠れなかったくらいだ。
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このザ・パシフィックはテレビドラマということもあるのかそのプライベートライアンほどのエグさはないにせよリアリティはかなりある。
だからグロいのがダメってヒトは無理だろう。
神出鬼没・鬼出電入の日本兵相手のゲリラ戦に苦戦するアメリカ兵。
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しかも日本兵は降伏し捕虜になることより迷わず自決を選択することにアメリカ兵は強いショックを受ける。
過酷な環境に粘り強くに耐え続け果てしない消耗戦を繰り返す日本兵に次第にアメリカ兵士は人間性を失っていく。
最近はCG技術がかなり進んでいるのかかなり大掛かりな実物を用意しなくても迫力のある戦闘シーンが可能になっているようだ。
そうだとしてもこれがテレビドラマと言うのは信じがたい映像だ。
それに対して人間ドラマの部分は尺の関係かやや淡白でもう少し丁寧に描いて欲しかったかな。
それに当たり前だが我々日本人は敵役だからめちゃめちゃワルモノに描かれているのは複雑な気分だ。
このドラマが戦争の最前線をリアルに伝えたいのならそれはじゅうぶんに目的は果たされてる。
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戦争の愚かさや悲惨さはわかっていたつもりでもこうして改めて非常にリアリティのある映像を見せつけられるとこんは時代に生まれなくて良かったと考えてしまうのは身勝手か?
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広島に住んでいて夏になると戦争で民間人を含めたたくさんの人々が亡くなったのを実感する。
なんとなく日本は被害者のように思いがちだが日本もたくさんのアメリカ兵を殺してきたんだなと思った。
それと実際に最前線の兵士が壮絶な殺し合い果てにどんな精神状態になるかってことも描かれている。
まさにこのドラマのコピーである「現実を浮き彫りにし、「戦争」が人間から何を奪うかを真に問う。 」は正にこのドラマを見事に表現していると感じた。
ひたすら暗く重くグロいヘヴィーな映像を立て続けに浴びせら続け凄惨な描写が心に突き刺さるが過去に本当にあった「太平洋戦争」という歴史についてより深く理解するためにはうってつけの教材であることは間違いない。