らをた広島

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The Last Message 海猿



DVDでみた。
かなり長く続いた伊藤英明主演海猿シリーズの最後の映画。
マンガが原作だったように思う。
忘れもしない最初の映画海猿は驚きの呉市ロケだった。
見たことある風景が驚くほど非常に美しく撮影されていて海軍工廠とヤクザで有名だった呉市は一躍海上保安庁の潜水士養成所として有名になった。
メイキングもみたがまさか海中シーンが子供の頃よく通った二河プールの飛び込みプールの中に海中セットを作って撮影されたなんてたまげた。
とにかくほとんどが呉市内でロケーションで呉出身の自分には内容云々よりもそういう理由で思い出深い作品だった。
やかて海猿はテレビドラマになり主人公仙崎の成長が描かれるようになった。
新人潜水士から恋愛や辛い別れを経て一人前の潜水士へと成長する内容でなかなか面白かった。
この海猿ブームで一時期海上保安官志願者が急増したと聞いた。
海上保安庁に勤めるヒトに聞いたがこのドラマのように潜水士が実際に人命救助できるのは極々稀有なケースで水死体サルベージ業と考えて間違いないそうだ。
再び映画に戻ってからの海猿は今度は派手な大型災害を描かざるを得なくなる。
もはや潜水士がどうとか言うのはきっかけだけであって大型船や構造物の海難事故からの脱出劇となり少々話しをエスカレートし過ぎた感がある。
今回の映画も海上保安庁の守備範囲を越えて海上自衛隊の範疇とも言える大惨事であり初期の頃に溢れていたヒューマニズムが薄れてきているのは残念だ。
湯水の如く制作費を注ぎ込み大型セットにCGの組み合わせ更にこれまでの豪華出演者を数多く登場させた初めからある程度の成功が約束されたアクション巨編ではあるが内容としてはなんとも薄っぺらで物語も何のヒネリもない。
先が読め過ぎるストーリーなんざ人に1分もあれば全て語れる。
カップルでデートに観るにはおあつらえむきの映画ではあるがジックリハマるにはご都合主義的な部分や役者の拙い演技が目に余りとにかく集中できない。
マンガが原作なのが考えられないくらいリアリティのあった最初の海猿がフィナーレを飾るこのオリジナル映画ではまるでマンガもどきの世界観と展開を織り成しているのはなんという皮肉なのだろう。