らをた広島

食べ歩きブログ

スラムダンク

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アニメ版のDVD17枚とコミック全巻鑑賞した・・・何度も(笑)
もう語り尽くされた感がありはするがこのスラムダンクはバスケットボールのって言うより現代におけるスポーツモノのベンチマークとも言える名作中の名作だ。
一応恋愛の要素はありはするが基本的には本作が連載された週刊少年ジャンプの基本理念である「友情・勝利・努力」に沿った内容になっている。
しかしこのスラムダンクにはそれ以前のスポーツモノには見られなかった革新に満ちている。
それ以前のベンチマークと言えば「巨人の星」「あしたのジョー」に代表される梶原一騎流のいわゆる人間離れしたヲタクな人物像や「キャプテン」のような等身大のリアリティあるキャラクターたちだった。
それがこのスラムダンクの主役桜木花道はそれらを土台にしながらもそこにかなりの笑いのセンスを詰め込んでいたのが斬新だった。
現実にはなかなかないと思うが日本の体育会系によくある必要以上に厳しすぎる意味不明な上下関係へのアンチテーゼとも言うべき桜木花道のキャラクターは当時非常に興味深かった。
それに体格や身体能力に恵まれてはいるが最初は初心者の主人公がきっちり努力して上達していく様が丁寧に描かれている。
スラムダンク以前はバスケットボールは漫画やアニメには不向きと言うのが定説だったらしく比較的狭いコートで総勢10人もが同時に入り乱れるこの競技はバスケットの本番ハリウッドでもコレと言った名作がないことを見ても映像として描きにくいコトを示しているんだろう。
そんなバスケットボールをこのスラムダンクは連載期間6年コミック全31巻でたったの4ヶ月分ストーリーをじっくり濃密に描くという画期的方法で解決している。
それ以前に作者の井上雄彦のバスケットボールに対する愛情の深さがそうさせているのかも知れない。
主役の桜木花道を囲むチームメイトやライバル達も非常に魅力に溢れておりよく盛り上げている。
しかし自分がこのスラムダンクに強く惹かれるのはそれらの要素よりも元不良の主人公が一つの事に一心不乱に打ち込む過程で味わう挫折や献身が琴線にモロに触れまくるからだ。
かつて実際にお好み焼き屋さんで食べながらスラムダンクを読んでいると不用意にページをめくった瞬間に一人で爆笑してしまい顰蹙を買いその後今度は泣けてきて食べ終わったのに帰れなくなってしまった事がある。
誰か死ぬわけでもないし居なくなってしまうワケでもないただの高校生スポーツクラブ活動を描いているのだが冬ソナでは1ミリも泣けなかった自分がこれほど泣ける作品も珍しい。
バスケットボールについて全然知らないし体育の授業くらいでしか実際にやったことないがこの作品でなぜこんなに泣けるのかよくはわからないが常々「天才」だと言ってる桜木花道のバスケットに対する真摯なひたむきさがそうさせるのかもしれない。
アニメーション版スラムダンクは原作の半分、つまり県予選で終わっている。
できることなら原作で更に盛り上がるインターハイ編をアニメ化してくれたら嬉しいのにのぅ~