らをた広島

食べ歩きブログ

八日目の蝉


DVDで観た。
2011年の日本映画。
井上真央主演。
いきなり裁判でのシーンから始まるこの映画。
とにかくひたすら暗く重い。
永作博美の熱演が素晴らしい。
不倫愛人の子供を盗んだ女とその子供が成長した姿が交互に描かれる物語。
印象的なタイトルの意味が映画の進行とともにだんだんわかってくる。
蝉は地上に出てくると一週間の命だから八日目生きてる蝉は周りに誰もいなくなってしまう。
まるでそんな蝉のようにヒトとの関わりを拒絶するかのような主人公。
だけど好むと好まざるによらず複雑な人間関係に巻き込まれてどんどん屈折してしまう。
人生に行き詰まり結局は自分探しに育てられた小豆島に辿り着く。
生みのオヤジより育ての親と言うがこれ観てると誰が善人で誰が悪人かわからんようになる。
子供は親を選べないが本当の親子じゃなくても本物以上に心に強い絆ができてしまうことってあるのかもしれない。
ヒトとヒトの繋がりって複雑怪奇で奇天烈で摩訶不思議なもんなのかもなー。
それにしても小役の演技が達者なこともあり非常に説得力のある映画だ。
それと役者の演技力の試されるカメラ長回しが多用されBGM少なく必要最小限しか使われてない。
号泣するかと想像していたラストとは少し違っていたけどヒトの縁について考えさせられる濃密な一本。