飛ぶ鳥を落とす勢いのある堺雅人主演映画。
DVDで観た。
最近は残念ながらテレビドラマではほとんど見かけなくなった時代劇である。
かつて時代劇と云えばチャンバラと同義語であったがこれは刀振り回して斬りまくりなんて全くない異色の内容となってる。
そもそもこの主人公は実在の人物でカラッキシ弱っちいのである。
じゃあ何かと言うとナント経済学や経営学だ。
これは異色中の異色だ。
不景気だったのは時代によって関係ないようでこの主人公は幕末の加賀藩が貧窮したときにお家物資などを大胆にリストラ敢行する。
「武士は食わねど高楊枝」というが実際武家の懐具合は厳しく相当なやせ我慢をやっていたのだろう。
勧善懲悪の派手な時代劇も悪くないが実際の地方武家の暮らしぶりは非常に興味惹かれる。
どうでも良いが若い頃は演技が下手っぴで鼻について気になって仕方がなかった松坂慶子が歳を重ねて凄く味のある女優さんに変貌していたのは驚きただった。
幕末から明治維新にかけて刀ではなくソロバンを武器に時代を駆け抜けたこの主人公の生き様ををその息子からの視点で描かれる地味な内容ながらこういう革新を起こした人の伝記は興味深い。
が、映画の仕上げ方によるものなのかもしれないが、この映画なりのコンセプトというかメッセージ性というか突き詰めて言えば何が描きたかったのかよくわからんと言うのが本音だ。
残念ながらもう少しヒネリを効かせてもらいたかったって思ってしまったのぅ~。
ここ最近の堺雅人の映画の中ではイマイチだろう。
あの森田芳光監督作品にしては期待はずれは否めない。
追加 先日亡くなられた森田芳光監督のご逝去を悼み謹んで哀悼の意を表します。