自家製麺 一村(呉市安浦)関東風つけ麺
呉市から185号線を福山方面に進むと安浦町に辿り着く。
旧道と途中から未知が分かれる安浦バイパスをずっと行くとその最終地点あたりの道沿いに自家製麺一村がみえてくる。
なんて読むのか最初はわからなかったが「いっそん」でいいみたい。
まあなんて店名でもその店の勝手だが自己満が過ぎてかえって読みづらいのは少々勘弁して欲しい。
なんでこんな田舎に開店したんだろう?って考えたくなるほど田舎だ。
もしかしたらここは店舗兼住宅??
田舎の必需品である駐車場は店の前に2台と店舗となりに数台あるので困ることはないんじゃないかな。
店内配置は一風変わってる。
3つのテーブルがあるのはいいのだがカウンターがその3つのテーブルに向かってそびえ立っている。
これはどういうことかいね?
一応目隠しがあるのでカウンターとテーブルで目が合うことはないのだがなんともみょうちくりんな店内だ。
空間の利用効率が甚だしく悪いだろうにと他人事ながら思ってしまった。
しかしその理由は分からないがもしかしたらなんらかの妥協の産物なのかもしれない。
メニューは「ラーメン」「呉冷麺」「汁なし担々麺」「関東風つけ麺」の4本が柱のようだ。
自家製麺って謳ってるくらいだからそりゃコダワリも相当あるだろう。
まるっと言ってしまえば無添加無化調・鶏ベースの魚介スープのお店ってことでいいのかな。
ならばそれを最も理解しやすいラーメンと関東風つけ麺をお願いしてみた。
なるほど食べ方を説明してるのはこういう高齢者も多い田舎にはたいせつなことかもしれない。
自家製麺一村のラーメン600円。
大きめのチャーシューに目が行くが最大の特徴は相当な高粘度なスープだろう。
これだけの粘度とトロミを鶏のスープでどうやって作っているのかよくはわからないがこの見た目にあった旨味も抽出されている。
トンコツはまったく使われていないんかな?
もしもそうならこれは鶏白湯ってことになるわな~しかもかなり良質の。
魚介も入っているのだろうがほとんどわからない微かなもの。
チャーシューは相当薄味でここでは完全に脇役に徹しているようだ。
これはこれで悪くないしこういうスープにはこの方がむしろ好ましい。
更に注目の自家製麺はコシがあるタイプではなくツルツルスベスベの食感のある独得なモノで敢えて言うなら「歩いていこう」を連想させる。
煮玉子はほんのりと薄い味付けでこういうラーメンにはよくあっていると思う。
それにしてもこりゃ場所に騙されてしまったがかなりハイレベルなラーメンであることよ。
関東風つけ麺700円。
麺はラーメンと同じながら冷たく締めた麺ははっきりと力強いコシを発揮しており麺の素性を確かめるにはラーメンよりつけ麺のほうが向いている。
もっと言うとこの麺はつけ麺で初めてその本領を発揮する。
これならラーメンはもっと細いタイプにした方がいいのかもしれない。
つけ汁はラーメンより魚介が強化されておりカツオの風味が効いて更なる高粘度スープを引き締めてる。
ハッキリ言ってこれで無化調なんて信じられないレベルだ。
麺の横に少しだけ添えられた柚子胡椒をつけ汁に溶くと上品だった味が一気にワイルドに変化しこれもなかなか楽しい。
よく考えてあるのぅ~
当然のようにスープ割りをお願いした。
このつけ麺もやはり「歩いていこう」の影響を感じずにはいられなかったがそれでもかなりのレベルにあることは間違いない。
全部のメニューを食べていないからなんともいえないがここの良さはつけ麺を食べると一番理解できるかも知れない。
こんな感じの郊外の孤島のようなラーメン店に中華そば遊山があるがダレもがクルマを持ってるこのご時世ならこういう立地条件のラーメン屋がまだまだ出現してもおかしくない。
得てしてこういう田舎のラーメン屋は古くからの地元民に理解されず遠く都会からやってくるリピーターに占拠されてしまうコトがよくあるがここももはやそうなっているのかもしれない。
しかし安浦に面白いラーメン屋ができたもんだ。