
呉市の中心にある商店街、中通り。
その呉駅に寄ったどちらかというともうハズレに近いあたりにひっそりと隠れるようにある 小春橋田野。


店名の読み方がよくわからんかったがこのローマ字を追えば「こはるばしたの」という店だということが理解できる。
後から分かったが田野っていうのがどうやら店主の苗字なのだそうだ。


呉出身の自分にとって中学からの旧友4人での半年に一度の飲み会はやっぱり特別な存在であることは間違いない。
もう全員おっさんになったことだしガツガツ食うのではなくl今回はこういう粋でシャレオツな店にしようということになった次第である。


生ビールで乾杯!!
カウンターだけのこぢんまりした店内はせいぜい15人くらいしか座れない。
この日もおそらく予約だけで他の客を入れないためか看板の電気は最初から消されていた。
大将とオクサマとお見受けする女性の二人体制なのだが非常に忙しそうにしておられる。


前半は野菜が中心の家庭料理のようなオードブルの連続だ。
だけどどれもこれも立派な皿にほんの少しだけ盛られていて意図的にフレンチの薫りを漂わせている。

ナントこれはサンマ。
塩焼きでしかお目にかかったことがないあのサンマが厚化粧してこんなにキレイになってでてきたのには思わず馬子にも衣装っと思ったがこれがなかなか侮れない面白い味。
和食の材料をフレンチの技法でっていうのがここのテーマなのかな?


次に繰り出されたのがもうどうみても茶碗蒸しの器を開けて見ると中からはパンプキンスープがでてくる。
なるほどね~こういう技法なら料理人のセンスが出てしまうんだけどここまではかなり上手くまとめているがどっちかというと女性好み、女性向けの展開になっているように感じた。

これね~ぱっと見マグロのにぎり寿司になんだけどアボガドにマグロを纏わせてあるんよね~。
コイツにはちょっとビビった。
さすがにこういうのは初めて喰ったわ。
食感がマグロに似てるアボガドとそのマグロのにぎり寿司なんて笑えてしまった。


そして続いてスズキだったかな?
これもオードブルみたいな可愛いのが続いてそろそろ終わりなのかと思ったら肉料理ですと云われてでてきたがこれも大きな皿のまんなかにチョコンと・・・

これね~マジでこってりしてて旨かったのよ。
それにいくらオードブルの連続でもこれくらい数があればけっこうお腹も膨らんでくる。

トドメはこのデザートだ。
なにが凄いってこれだけのコースの料金が勿論お酒抜きではあるが 3500円ってこと。
これにはマジで脱帽するしかない。
女性向けの内装や雰囲気に騙されてしまったがここの大将の腕とセンスは相当なレベルのあるようだ。
ちょっと興味本位で大将の経歴を聞いてみたのだが大阪、フランス、広島と全国を転々とされて結局縁もゆかりもないこの呉の地で店を開かれたようだ。
それにしても自分の故郷である呉のこんな場所にこれほどの図抜けたハイソな料理を食べさせる店があるなんてその存在自体が誇りであることだけは断言できる。