漫画家・新井英樹の原作を、この作品に大きな影響を受けたという『ヒメアノ~ル』などの吉田恵輔が映画化。
『俳優 亀岡拓次』などの安田顕が、フィリピンの女性と結婚する主人公を演じる。
すご味のある母親を『ハローグッバイ』などの木野花、謎のヤクザを『あしたのジョー』などの伊勢谷友介が好演。
岩男(安田顕)がアイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて久しぶりに故郷の村に帰省すると、死んだことを知らずにいた父親の葬儀が執り行われていた。
42歳になるまで恋愛とは無縁だった彼がフィリピンから連れてきた妻は、参列者の動揺をよそに夫について回る。
すると彼らの前に、喪服姿でライフルを抱えた岩男の母親(木野花)が現れる。
漫画が原作のようだがTEAM NACSの安田顕主演と言うことで観た。
正直全然期待していなかったのだが日本の地方都市が実際に抱える問題をズバリと突いている。
この映画に似たような話は聞いたことあるし巷にはありふれているのかも知れない。
水曜どうでしょうの初期から安田顕は知ってるがこんな渋い演技ができる俳優になるとは全く思わなかったかわこの作品で冴えずにモテない40代男を見事に演じ切っている。
最初は適当に観ていたが途中から珍しく完全に観入ってしまっていた。
それくらいにこの作品の志は高く、役者の演技力に完全に打ちのめされた。
読めないストーリーの先のなんとも切ないラストではあるがこの妙にリアリティがあるストーリーに人間の持つ根源的な狂気とか残酷さ、その対局にある愛とか温かさを同時に表現している傑作だとも言えなくもない。
久しぶりに日本映画の力作を目の当たりにして深い感謝と感激を感じた愛しのアイリーンだった。