近所にある九重商店の支店という事らしいが実態はすし久のランチ営業ということなのだろう。
そもそも九重商店はすし久が始めたラーメン屋さんだからその支店が母体であるすし久に帰ってくるというのもなかなか興味深い。
店内はまるごと寿司屋なのだがカウンターにはアクリルパーティションが整備されていてラーメン屋としては良いが寿司を食べるのはどうなんだろう。
メニューは潔く鯛だしらぁ麺鯛めしセット950円一本だ。
ラーメン丼の肩にちょこんと乗っかっているのは柚子胡椒と説明された。
まずはラーメンを食べて次に鯛めしをそのまま食べてラストに残ったスープで茶漬けにすると言った食べ方が推奨されている。
まずは鯛だしラーメンだが九重商店の開店時に感じた「良い素材のバラバラ感」はなくなり非常に洗練された魚介のラーメンになっているのは間違いない。
麺は自家製の全粒粉タイプでコシもしっかりあって甘みすら感じられる。
スープは鯛の出汁がしっかりとあるものの、個人的にはもう一息鯛だし推しを演出して欲しいと思うが現状でもじゅうぶんだろう。
低温調理されたチャーシューは出されたときからスープの中で色がみるみる変わっていくのでレア好きははやく退治するのが正解だ。
メンマは穂先の長いのが一本まるごと入っていてここらへんの素材の良さは最初から認めることろではある。
ほんの少しの柚子胡椒をレンゲで溶いてみたがこれは劇的に味が変化するのでラーメンに入れるのは止めておいて後半の鯛めしに投入することにした。
火が通ってウェルダンになったチャーシューも柔らかいままで美味いのでこれは長い間楽しめて嬉しい。
そして麺がなくなったのでスープを残して鯛めしパートに突入だ。
しっかりワサビが入った丼に特製ごま醤油に和えられたごっつい鯛の身が3枚も入ってるなんて非常に贅沢な仕様でこれにスープを入れるのはもったいないくらいだ。
それでも思い切ってスープを全部ぶっこんで柚子胡椒もワサビと混ざって味が混乱するんじゃないかと思ったが溶かしてみた。
ところがここまでを全部計算されていたようで決して破綻することなく濃厚でウマすぎる鯛茶漬けが完成した。
これにスープの熱が若干通ってしゃぶしゃぶになった鯛の身のなんとも美味いことよ。
こうなると一心不乱に丼まで食い尽くすが如く貪り食ってしまって見事に完食、そして腹一杯になった。
これは鯛ラーメンの中では相当に完成度が高くこの鯛めしとのセット販売にしたほうがわかりやすい組み合わせになっている。
なるほど九重商店も開店から1年経って相当内容がこなれてきているようだ。
九重商店本店の方にも偵察にいかないといかんようだ。