多くの関係者への取材を基に書かれた門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を実写映画化。
世界を震撼(しんかん)させた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故発生以降も現場に残り、日本の危機を救おうとした作業員たちを描く。
『64-ロクヨン-』シリーズなどの佐藤浩市、『明日の記憶』などの渡辺謙らが出演。
『沈まぬ太陽』などの若松節朗がメガホンを取り、ドラマシリーズ「沈まぬ太陽」などの前川洋一が脚本を務めた。
2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の地震が発生し、それに伴う巨大な津波が福島第一原子力発電所を襲う。
全ての電源が喪失して原子炉の冷却ができなくなりメルトダウン(炉心溶融)の危機が迫る中、現場の指揮を執る所長の吉田昌郎(渡辺謙)をはじめ発電所内にとどまった約50名の作業員たちは、家族や故郷を守るため未曽有の大事故に立ち向かう。
門田隆将原作のノンフィクションが原作。
冒頭の東日本大震災と津波のシーンはよく出来ていて非常に恐ろしくいきなり引き込まれる。
緊迫の現場をリアルに描いていてあと時連日テレビ報道していたのは一体何だったのか？と思ってしまった。
最近は朝の自転車旅行お爺さんみたいになってる火野正平が決死隊のリーダー格で出演しており久しぶりに役者してみたような気がした(笑)
福島原子力発電所を津波が襲った直後の混乱は並大抵じゃない事はある程度は想像出来るがこれ程とは知らなかった。
現場でメルトダウンによる放射能の恐怖と戦いながら懸命に被害を最小限に留めた福島原子力発電所の東京電力の社員の活躍が描かれる。
現場が大混乱しているのに時の総理大臣が強引に視察に訪れ怒鳴り散らして邪魔ばかりしているのはどう考えても無能の極みで今となっては苦笑いするしかない。
当時のマスコミは反原発の立場から東京電力をワルモノとばかりに報道していたが現場ではどうにかしようと必死に格闘していた事はほとんど伝えられていない。
高い放射線を浴びているのを知りながら決死の思いで作業する東京電力社員には本当に頭が下がる思いだ。
現場視察だけではなくそれ以後も度々保身やパフォーマンスの為に現場を邪魔し続けた官邸にははらわたが煮えくり返ったが、ホンマに日本の敵が総理大臣だったんだと今更ながら理解できた。
しかしそんなそとは裏腹に「国を守るのが我々の仕事ですから・・・」の自衛隊員の言葉には涙が止まらなかった。
当然かも知れないが専門用語が数多く飛び交い、わからない箇所もあったが大まかな内容は把握できるようになっている。
あの東日本大震災の時の福島原子力発電所内での人々の葛藤と軋轢を知ることができて本当に良かったと思ったフクシマフィフティだった。
