ウィリアム・ピーター・ブラッティの同名小説の映画化で、70年代半ばの一大オカルト映画ブームの原点となった作品に、15分の未公開シーンを加えて再編集したもの。
人気女優のクリスは新作ロケのためワシントンに一時的な借家住まいをすることになる。
だが、以降一人娘のリーガンの身に異変が起こり始める。
彼女の体に悪魔がとりついていたのだ。
リーガンを救うためにやって来た神父は家に入るなり強大な悪魔のパワーを感じ取る。
そして悪魔と神父の壮絶な戦いが始まる。
オカルト映画として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされるなど、いまなお語り継がれる数々の伝説を残したホラー映画界の金字塔『エクソシスト』。
1973年公開作品だから今からもう48年も前になる。
当時自分は小学生だったが劇場で失神者が続出したと大変な反響があり大いに話題になった画期的なオカルト映画。
当然大ヒット作になり多くのフォロワー作品が雨後の筍のように作られた。
その後テレビでもエクソシストは上映されたがこの手の映画が苦手なのでちゃんと観る事なくここ迄来たがええ歳のオッサンになったし逃げずに気合い入れて観て涼んでみるか!と思い立った。
主役のリンダ・ブレアはオーディションでこの役を勝ち取ったそうだが確かに可愛らしく子役としては演技がかなり上手くて悪霊に憑依される難しい役どころを見事にこなしている。
ただストーリーは怖いシーンに持って行き方がちょっと強引だしそのオカルトシーンも現代の綺麗なCG映像と比較すると雑と言うかかなりショボく感じられ恐怖心を煽るのに美しく緻密な映像は必須だとよくわかった。
どういう訳か劇中にはメルセデス・ベンツが出てくるがどれもこれも大昔のモデルでさすがに時代を感じさせる。
公開された物に未公開シーンを追加したディレクターズカット版だからかどうかはわからないが途中が間延びしているように感じられクライマックスを前にかなり退屈になってしまった。
この映画最大の見所ではある憑依した悪霊とカラス・メリン神父との対決だがある意味これを大いに期待し同時に楽しみにしていた。
かなり宗教色が強くキリスト教徒ではないので半分くらい意味がわからなかったがクライマックスはかなりの迫力がある。
仰向けに這って階段降りてきたり首が360°回転したり有名なシーンの連発なのだがコレが怖いかと言われるとほとんど怖くなくてハッキリ言って拍子抜けしてしまった。
悪霊祓いの決定打もこれと言った説得力もなく狭い部屋で延々繰り広げられるのは舞台劇を見ているかのよう。
小学生の頃にコレを見ていたら泡吹いて気絶してトラウマになってしまったかも知れないが今になって観るとオカルト映画というよりちょっと怖いノスタルジックな昔の映画としか思えない。
まあ半世紀近く前の作品だけにそれは仕方ないと思ったエクソシスト/ディレクターズカット版だった。