らをた広島

食べ歩きブログ

バガボンド

f:id:unkosuzou:20220323155427p:plain

アクション俳優を目指していたチャ・ダンゴル(イ・スンギ)は、1人で甥を育てていた。

ある日、甥が乗ったモロッコ行きの旅客機が墜落し唯一の家族であった甥を亡くしてしまう。

旅客機に生存者は1人もおらず、政府はこの事故を機械トラブルによるものだと発表した。

f:id:unkosuzou:20220323160252j:plain

その後、遺族たちと墜落現場であるモロッコへと向かったダンゴルは、甥が残した機内の動画に写っていた男と偶然遭遇。

いないはずの生存者の存在を知り、事故ではなくテロなのではないかと主張するダンゴル。

一方、モロッコの大使館にスパイとして偽装潜入し働いている韓国の国家情報院職員コ・ヘリ(ペ・スジ)。

ヘリは、ダンゴルの主張が事実かもしれないと調査を始めるのだが、そこには政府によるとてつもない陰謀が隠されていて…。

f:id:unkosuzou:20220323155441j:plain

1話1時間とちょっとあるのが全16話のネットフリックス韓国ドラマ。

ネットフリックスドラマに詳しいヒトから勧められて観た。

f:id:unkosuzou:20220323155452j:plain

あくまでもバカボンドではなくバガボンド

バガボンド井上雄彦の漫画が有名だがここでは「放浪者」や「さすらい人」とかいう意味になる。

f:id:unkosuzou:20220323155503j:plain

そして劇中ではこの「バガボンド」が合言葉になる。

実際にモロッコで大々的なロケをやっていて世界を股にかけた政府の陰謀の話しでそもそもドラマとしてのスケールが大きい。

f:id:unkosuzou:20220323155513j:plain

ただ主人公は売れないアクション俳優もどきで若干無理があるような箇所も無きにしもあらずでそこら辺のアンバランスさが面白い。

しかし話しが進むごとに陰謀は国家ぐるみとなっていき誰が敵で誰が味方なのかまるでわからずに脚本も非常によく考えられている。

f:id:unkosuzou:20220323155523j:plain

長丁場なのでいずれ中だるみが訪れるのはわかっていたがよくもまあ次から次へと新たな刺客を送り込んできて飽きさせないのは流石だ。

何処かで見たようなお笑い担当の女優さんもキッチリ配置していてこれが良いスパイスになっている。

f:id:unkosuzou:20220323155534j:plain

ハンディカメラを多用したワザと手ブレしたような撮影法、高いテンションを保ったままの展開とか次々裏切り者が出たり派手な格闘シーンやカーアクションとかテロを扱ったりとどことなくあの名作TWENTY FOURシリーズを想起させる。

TWENTY FOURと同様に強力な中毒性があるようで1話1時間も本当にあっと言う間で寝るのも惜しんで観るようになる。

f:id:unkosuzou:20220323155544j:plain

因みに去年放送されたTWENTY FOURの日本版も最初の数話を観たがオリジナルとストーリーは同じながらアクションシーンの迫力があまりにも違い過ぎてアホらしくて3話あたりで挫折した(笑)

そのTWENTY FOUR日本版よりこの韓国ドラマの方が遥かに面白いから正直残念だ。

f:id:unkosuzou:20220323155555j:plain

恋愛要素は少なめながら三角関係みたいなのがあってこれはドラマの本筋には余り関わりがなく、色恋沙汰で都合良く時間稼ぎをやっているように思える。

どうでもいいがこのドラマはヒュンダイがバックアップしているようでプリウスやらハリアーやら妙に日本車にソックリなのが多いのに驚かされる。

f:id:unkosuzou:20220323155620j:plain

それにヒュンダイの高級車ジェネシスを初めて観たがスタイルとかかなり良くなっているのはわかるが素人目にもベンツコンプレックス丸出しなのがちょっとアレだ。

まあ医療系のシーンはさすがにちょっとあり得ないのがあるがその辺りまでツッコミ入れるつもりもないがチョイチョイムリくりな箇所はある。

f:id:unkosuzou:20220323160305j:plain
f:id:unkosuzou:20220323160303j:plain
f:id:unkosuzou:20220323160300j:plain

だけどそこら辺を主演女優さんの可愛さと言うか演技力でねじ伏せていてそれなりの説得力はある。

それとよくもまあコレだけ続々と悪役が沸いて出てくるもんだと言うくらい悪役オンパレードなのだがそれぞれにちゃんと個性があって役者もそれを理解して如何にも嫌な奴だと思われるように演じているのがわかる。

f:id:unkosuzou:20220323160311j:plain

日本のドラマのように安易なドアップ顔芸大会にならなくてもちゃんと表現されているのは演出の力によるものと思われる。

何度も何度も万事休すと思われる大ピンチをどうにかこうにか切り抜けて巨悪に立ち向かう主人公たちの姿はスリリングで見応えがある。

f:id:unkosuzou:20220323160308j:plain

アクションシーンはCGでかなり補っているとはいえそれでも驚くほど迫力があって役者がヤバいケガしていないのか心配になるくらいだ。

真実が暴かれた後半はその大勢の悪役の責任のなすりあいが始まるのだがこれがリアルで笑える。

f:id:unkosuzou:20220323160257j:plain

極悪人対決なんてちょっと見たことないが主役が主人公なのか悪役なのかわからんくらいの展開は流石に読めない。

真の黒幕が消去法的に薄々わかってきてしまうのがやや残念だし、後半はとにかく登場人物の8割方は悪役のオンパレードで呆れるがそれでも全体によく練られている。

f:id:unkosuzou:20220323160255j:plain

ただラストは中途半端で続編を考えているのか煮え切れないのはいただけないのは韓国ドラマによくあることだ。

ココだけがとても大きな残念ポイントだったバガボンドだった。