「私は自閉スペクトラム症であります」。
新人弁護士のウ・ヨンウは初めて立った裁判の冒頭陳述の前に、そう宣言する。
弁護人として被告人を助け、真実を明かすべく最善を尽くします」と続ける。
5歳で刑法をそらんじ、ソウル大のロースクールを首席で卒業した彼女の履歴書の2枚目にも、自閉スペクトラム症である旨が添付されている。
この新人弁護士ウ・ヨンウを主人公にした韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」は本国で右肩上がりの高視聴率を獲得し、Netflix日本でも「今日のTV番組TOP1」を独走中。
世界では非英語部門のTV番組で配信開始から6週連続でTOP10入り、そのうち2位になったのは一度きりでTOP1に君臨し続けている。昨年の「イカゲーム」を引き合いに出されるほどの盛り上がり方だ。
主演を務めるのは、同じくNetflix配信されて人気を博したロマンス時代劇「恋慕」のパク・ウンビン。
前作とはまったく違った主人公を見事に演じ、愛すべきニックネームを授けられた登場人物たちとの恋愛や友情と家族愛、さらに国境を越えてリアルかつ身近に存在する社会問題を反映した訴訟を痛快に解決していく様子が、「BTS」らK-POPアイドルや俳優たちをも夢中にさせ、世界中の人々の心をとらえている。
様々な配信サービスに毎月登場する新作ドラマのうち、ウ・ヨンウの毎朝のルーティーンを映し出したオープニング・クレジットさえ“スキップ”したくない、それくらい愛おしい良作に出会えることはそう多くない。
自閉症の天才弁護士のお話。
主演女優のパク・ウンビンの演技力とこの魅力がこの作品のデキを大きく左右すると思うがまあ見事に演じている。
自閉症について詳しく知っている訳じゃないのでどうしても映画レインマンのダスティン・ホフマンを引き合いに出すしかない。
最初は恋愛物かと勝手に思っていたがどうやら本格的なリーガルドラマのようだ。
基本的に1話完結で1時間ちょっとのが全16話のネットフリックスドラマ。
一見ポップでコミカルな作風ながら主人公は障害者だし内容も痴呆症や発達障害や性差別、脱北者問題、障害者の性問題など結構ヘヴィーなテーマを扱っている。
そこに泣き笑いのスパイスを効かせた脚本とこの主演女優さんは凄いと敬服する。
数話見た段階だけどこれは日本のドラマが飛びつきそうな作品だと直感したのは自分だけではないはずだ。
この自閉症弁護士を演じきるにはなかなか大変だとは思うが絶対リメイクされるはず。
徴兵制の韓国ではのあるあるなんだろうが兵隊時の話しで盛り上がる下りは納得できた。
韓国ドラマとして非常に珍しくコレと言ったもんです悪役がいる訳でもなくやんわりとしたライバルが登場するくらいだ。
主人公が無類のクジラ好きなのはどういう意図があるのかずっと疑問だったがその生態を上手く絡めていて納得させる脚本は見事だ。
韓国の歪んだ学歴社会を揶揄した回はスピンオフかと思っていたが、理想論ではあるが教育の本質を突いていて、スピンオフどころかこのドラマの云いたいことが一番理解できる良く出来たエピソードだった。
どうでも良いがは劇中に「ふな焼き」と言うお菓子が出てきてどんなんかと思って見ていたら日本で言うところの「鯛焼き」だったのは勉強になった(笑)
後半にかけて恋愛色も出てくるが必要最低限でこの手のドラマが苦手な身としては助かる。
韓国ドラマ特有の家族の確執みたいなのも見事に織り込まれているが極端な悪役がいない分、新しい韓国ドラマを感じる。
16話だが一気に魅せるだけの実力があるドラマだというのは間違いない。
法的な事はよぬわからないがそれ程予算がかかっているという内容でもないので自閉症のコンプライアンスが問題なければ間違いなく日本でリメイクされると思う。
この女優さんで持ってる所があるのでその人材次第だが初めて韓国ドラマの日本版を見てみたくなったウ・ヨンウ弁護士は天才肌だった。