ガメラによって両親を殺された少女の憎しみが生んだ怪生物と、ガメラの壮絶な戦いを描いたモンスター・パニック映画の新シリーズ第3弾。
監督は「F[エフ]」の金子修介。
特技監督は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)」の樋口真嗣。
脚本は、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊/インターナショナル・ヴァージョン」の伊藤和典と金子監督自身が執筆。
撮影を「元気の神様」の戸澤潤一が担当している。
主演は、「新生トイレの花子さん」の前田愛と「ガメラ 大怪獣空中決戦」の中山忍。
これはBS12でやっていたので観た。
監督は同じでガメラシリーズの完結編という位置づけらしいが中山忍主演と言うこともあるのか一作目の続編のような作りで二作目はまるでスピンオフ作品のようにすら感じられる。
これまでの作品は漠然とパソコンが出てきていたがこの作中で大昔のマッキントッシュが出てきてOS画面が懐かしかった。
それまでのガメラシリーズではガメラの戦いにまるで人間の被害がほぼないように描かれていてこれに違和感があったが本作ではこの辺りがリアルに描かれていて、お子ちゃまはターゲットから完全に外れたのだろう。
時代的に今ほどCGに頼らず(それでも今までより一番CGが使われているが)従来の着ぐるみ怪獣ながら映像は1作ごとに確実に進化しており一昔前の作品ながら迫力はなかなかのもんだ。
ストーリーはこれまでで一番シリアスで重くホラー的要素すらある。
当時まだ駆け出しだった仲間由紀恵がとんでもなく悲惨な役で出ていてコレのエグいホラー表現はさすがに笑えてしまった。
それと一応セリフはあるが完全なる端役で上川隆也が出てるのも今となっては貴重だろう。
ゴジラも復活したしガメラもコレからやるとなるとおそらくはゴジラ同様フルCGになる筈だからこの手の古典的な着ぐるみ怪獣映画はもう観られないのだろう。
津川雅彦が自衛隊のトップの役で少しだけ出ているが彼が出演していると映画の格が上がったように思えるのは流石だ。
このシリーズ、ガメラが人間の味方みたいに描かれているがシンゴジラみたいに人間の敵として大暴れしてどうにかやっつける、みたいなリアリティーあるガメラが観てみたいと思った平成ガメラシリーズだった。