韓国俳優のイ・ヨンエが主演するドラマ『マエストラ』が、9日よりディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」のコンテンツブランド「スター」で独占配信している(全12話/毎週土・日1話ずつ配信)。
イ・ヨンエの約1年ぶりのドラマ復帰作は、人生を揺るがす秘密を隠す“天才女性指揮者”の葛藤と成長を描くヒューマン・ミステリーとなる。
天才ヴァイオリニストとして名高いセウム(イ・ヨンエ)は、母の病気をきっかけにニューヨークへ留学し、指揮者に転向する。
アジアの女性指揮官として世界的な評価を得た彼女はその後、韓国に戻り、オーケストラの権威を復活させることに成功する。
しかし一方で、彼女は不可解な出来事を掘り起こし、自分の過去にまつわる真実を発見するのだった―。
チャ・セウム:イ・ヨンエ 『師任堂(サイムダン)、色の日記』『宮廷女官チャングムの誓い』『調査官ク・ギョンイ』
あのチャングムのイ・ヨンエ主演、愛の不時着のスタジオドラゴン製作と聞いて観ることにした。
そんなイ・ヨンエももう52歳なので当然ながらチャングムの時とは違う。
しかもクラシックのオーケストラの指揮者を演じるとなれば、海外で有名になった天才指揮者が仕方なく帰国し、様々な困難を克服して落ちぶれた地元オケを立て直すみたいなのがドラマのド定番だ。
オープニングからしてまさしくそのド定番路線を突き進むか、楽団内の人間関係のイジメやイザコザだけに溢れていたらリタイアしようと決めていた。
取り敢えずイ・ヨンエは50代には見えないだけではなく、若い頃とちょっと顔の感じが変わったように見えるのは何かしら理由があるのだろうか?
第一話を見る限りこの手のドラマの定番路線のようなのでどうしたものかと思案してしまった。
ツッコミどころも満載で無理が通れば道理が引っ込むみたいな箇所も散見されるがまあそんな事を気にしていても仕方ないので、どういう展開をするのか見定める事にした。
しかしマエストロに対して女性指揮者だからマエストラと言うのだろうが確かに女性指揮者と言うのは見たことが無い。
韓国の俳優さんはほぼ例外なしに高身長で脱ぐと鍛え上げられた立派な体格をしていてココらへんはちんちくりんのガリガリぎ多い日本の俳優とは事情が違うようだ。
途中から愛憎の縺れがメインになってまるで女性向け昼メロのような韓国ドラマお得意のドロドロな展開になってきて最初に予想したのとはちょっと違ってきたのでまだ止めないで置くことにした。
だけどこんな調子で1本1時間で全12話も持ちこたえられるのか疑問が残る。
中盤からオーケストラを巡る話しが一応中心にはあるが段々とサスペンス色が出て来て単なる惚れた腫れたの愛憎劇ではなくなってくる。
その分、オーケストラのそれぞれのメンバーや楽団の進化や結束みたいたのが描かれなくなってきて内容が重くヘビーになる。
完全に事前の予想は覆され全く読めないストーリー展開に目が離せなくなりこのドラマにハマってしまった。
このドラマにもおそらくはヒョンデのEVと思われる大型SUVが登場するが車内は回転式のシートでその豪華さに驚かされる。
だが自動駐車機能を宣伝したいみたいだがそんなのかなり前にBセグメントのヤリスクロスにすら搭載されてたような気がする(笑)
韓国ドラマの常として強烈な悪役がキッチリ配役されるものだがこのドラマはそこがちょっと弱く感じられて物足りなく感じてしまう。
だが後半になるにつれ音楽活動そっちのけで完全にミステリー&サスペンス路線に変化して当初の予想からかなり外れてきて良い意味で裏切られ全く読めなくなってしまった。
主人公がオーケストラの指揮者という設定でこんな展開をさせるなんて奇想天外と言うかかなりぶっ飛んだストーリーだが、まあここらへんが韓国ドラマの面白さとも言える。
後半に入ると不可解な事件が次々と起きて、薄々犯人がわかってくるような作りにはなっているのだがそのままスンナリ決着するハズもなく仕込まれたミスリードだろう。
主要キャストが日本の剣道をやっているシーンが出てくるが韓国ドラマでは極めて珍しくちょっとびっくりしてしまった。
終盤になると韓国ドラマにしては珍しく悪役が誰なのかさっぱりわからなくなって、そう言う意味でもかなり変則的、実験的なドラマだ。
個人的に相当にこのドラマの世界に没入してしまって休みの日などは朝から晩までずっと観てしまった程だ(笑)
どんどんとオーケストラ完全そっちのけで殺人ミステリー作品になって行くが確かにこの方が面白いしオーケストラで音楽を扱う作品としては異例だ。
一気に最終話まで来てしまったがこの回は丸ごと解決編になっているようで、もう完全にトリコにさせられた自分は食い入るように観るしかなかった(笑)
クラシックオーケストラを題材にしたドラマとしてはかなり凝っていると思うし斬新だが純粋なサスペンスとして見ると最後取ってつけた感がありちょっとヒネリが足りない気もする。
ただこう言う手があったか!的な先進性を考えさせられたマエストラだった。