金馬奨5部門を受賞した『1秒先の彼女』をリメイク。
舞台を台湾から京都に移して男女のキャラクター設定を入れ替え、周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性による、消えた一日を巡るストーリーが展開。
『オーバー・フェンス』などの山下敦弘が監督、『土竜の唄』シリーズなどの宮藤官九郎が脚本を担当。
山下監督作『天然コケッコー』などの岡田将生と『宇宙でいちばんあかるい屋根』などの清原果耶が主演を務めるほか、福室莉音、片山友希、加藤雅也、荒川良々らが出演する。
郵便局の窓口で働くハジメ(岡田将生)は何をするにも人よりワンテンポ早く、相手から告白されても「イケメンなのになんか残念」と常にフラれてしまうのだった。
ある日、街中で路上ミュージシャン・桜子の歌声に惹(ひ)かれて恋に落ち、必死にアプローチして花火大会デートの約束を取り付ける。
ところが目覚めると、なぜかデートの翌日になっていた。
台湾映画のリメイク邦画で岡田将生と清原果耶主演などはどうでも良いのだが宮藤官九郎脚本と言うことで観ることにした。
京都が舞台なのでみんな関西弁を話しているが自分が知ってる関西弁とは違って、いわゆる東京のヒトが想像する関西弁でコレは違和感が半端ない。
主人公の妹の彼氏役はどう見てもAV男優だと思って調べてみたらやはりしみけんだった(笑)
最初は陳腐な少女マンガみたいなグダグダな展開に観るのをやめようかなと思ったが30分くらい過ぎたあたりから俄然面白くなってくる。
作中のラジオで本人役で出演している笑福亭笑瓶が写真屋のオヤジとしても出てるのには笑えたがこの作品が遺作になってしまったらしい。
今どき、郵便だったりラジオだったりアナログの写真だったりと昔の物を使った不思議な物語ではある。
時間が行ったり来たりしてちょっとわかりにくいが辻褄が合うようによく練られていて途中からこの作品の中に完全に没入してしまった。
要はタイムリープものと言うことになるが、この手のジャンルの作品にありがちな難解にだけはしないで欲しいと思った。
あくまでも宮藤官九郎作品らしく何時ものコメディタッチでちょっと泣ける展開を期待してしまう。
中盤から後半にかけて段々と物語の全貌がわかってくるがコレがなかなか趣があってしみじみさせられる。
一応恋愛映画だと思うが初恋がテーマで実に清く正しく美しくてやはり少女マンガのようだ(笑)
加藤雅也は関西の出身なのか関西弁を実に違和感なく話している。
タイムリープの凄いオチには驚いたがソレでも、難解にならず逆にジックリ考えさせられて単なる惚れた腫れたの恋愛映画で終わっていないのはさすがはクドカンだ。
終盤完全に見入ってしまったがラストは思いがけない事に泣けてしまった。
実によく出来ていた終わり方と岡田将生と清原果耶の演技力に「良い作品だな〜」と感激してしまった1秒先の彼だった。