らをた広島

食べ歩きブログ

哀れなるものたち

女王陛下のお気に入り』などのヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再び組み、スコットランドの作家アラスター・グレイによる小説を映画化。
天才外科医の手により不幸な死からよみがえった若い女性が、世界を知るための冒険の旅を通じて成長していく。

エマふんするヒロインと共に旅する弁護士を『スポットライト 世紀のスクープ』などのマーク・ラファロ、外科医を『永遠の門 ゴッホの見た未来』などのウィレム・デフォーが演じる。
第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を受賞。

若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、天才外科医ゴッドウィン・バクスターウィレム・デフォー)によって胎児の脳を移植され、奇跡的に生き返る。
「世界を自分の目で見たい」という思いに突き動かされた彼女は、放蕩(ほうとう)者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて大陸横断の旅に出る。
大人の体でありながら、新生児の目線で物事を見つめるベラは、貪欲に多くのことを学んでいく中で平等や自由を知り、時代の偏見から解放され成長していく。

エマ・ストーン主演と言うので観た。

とにかく最初からモノクロで不思議な世界観全開でこらについていくのにとにかく必死だ。

しかしエマ・ストーンの演技は本当にイカれてるように見えてしまうくらいに圧巻だ。

ララランドで踊っていた女優さんと同一人物とはとても思えない。

自殺した女性が胎児の脳を移植されて生き返るとか、ほとんどホラー映画みたいだがこの女性の「成長」を描くストーリー。

時代設定もクルマがやっと実用化されたような頃のようなのでこのモノクロ映像だと本当に昔の映画のように見えるがソレを狙っての演出だろう。

ただ過去の部分に関してはカラー映像になるのでココらへんの意図がよくわからないが途中から何となくわかってくる。

エロいまでは言わないがそれなりのシーンはソコソコあってエマ・ストーンはかなりの体当たり演技していて頭が下がる。

時折、魚眼レンズを使ったような映像になるが、そう言うのを含めても独特な世界観の作品でこんな妙ちくりんなのはあまり観たことがない。

それにストーリーもどうなるのかサッパリ読めず面白いのかつまらないのかもわからず、だけど止めるに止められずとにかく掴みどころのないこんな不思議な映画もなかなかない。

身体は大人、頭脳は子供という名探偵コナンの逆の女性を通して世の中の仕組みや不条理を描いていると思うがかなり崇高なテーマでわかりにくい。

淡々と展開するので途中からやや退屈になり2時間21分の上映時間がもっと長く感じられてしまう。

とにかく理解不能な世界に紛れ混んたような感覚が終盤まで続きこれをどう着陸させるのかの興味だけで見続けた。

後半になるとコロコロと局面が変わり前半の退屈さは吹っ飛んで一気に物語は緊迫して気がついたら必死になってしまい完全に没入させられた。

そう言う意味ではちょっと長いが非常に個性的で面白い映画じゃないかと思うようになった。

そしてラストはトンデモだが何となく納得させられてしまった哀れなるものたちだった。