岩明均の人気漫画「寄生獣」をベースに、『新感染 ファイナル・エクスプレス』などのヨン・サンホ監督が新たに実写化したNetflixシリーズ「寄生獣 -ザ・グレイ-」。
主人公チョン・スインは、母親に捨てられ、父親からは日常的に暴力を振るわれる悲痛な幼少期を過ごしていた。
天涯孤独に生きる道を選んだ彼女は“自分は誰からも愛されない人間なんだ”と悩みながらも、生きていくために真面目に働いていた。
しかし、そんな彼女をさらなる悲劇が見舞う。
ある事件に巻き込まれ瀕死状態となった身体をパラサイト〈ハイジ〉に乗っ取られてしまったのだ。
しかし、ハイジは宿主であるスインの身体を治すため力を使ったことで、脳の乗っ取りに失敗。
スインとハイジは、予想もしなかった奇妙な共存関係に陥ることになる。
ネットフリックスの最新韓国ドラマ。
原作は日本のマンガのようだがぜんぜん知らなかったがこの作品は化物の設定だけ頂いているが基本的には韓国を舞台としたオリジナルストーリーのようでほぼ別物の言うわけだ。
ダークファンタジーなのは知っていたのでこう言うのが得意な韓国ドラマならどういう風に描くのか気になって観てしまったのだった(笑)
1話60分で全6話というネットフリックスにしては少ない話数なのも嬉しい。
冒頭から文字通り寄生獣が登場して派手に暴れ回りツカミはしっかりとしていてこれは期待できる。
劇中でもセリフであるように要は現代版、ジキルとハイドみたいな物語で、ある意味古典的とも言える設定でこれをどう膨らませるか楽しみになってきた。
CGを駆使してはいるが総じてアクションは派手でで役者は体を張っているというのがヒシヒシと伝わってくるが、この圧倒的な迫力は日本映画も見習うべきだろう。
チンピラ役のク・ギョファンは D.P. -脱走兵追跡官-とウ・ヨンウ弁護士は天才肌で見た事がある俳優さんで演技の幅がかなり広くて驚かされる。
ストーリーは比較的簡単でわかりやすくダークファンタジーとはいえホラー色は薄く、どちらかと言えばグロい表現が多くとにかく韓国作品の得意とするジャンルで有ることは疑いようがない。
寄生獣になってしまったいわゆるワルモノに対して、主人公は寄生しきれなかった人間との亜種として同族であるワルモノを倒すという言ってみれば「仮面ライダー」や「キカイダー」スタイルの展開は確かに面白い。
それにジキルとハイドの主人公は完全に本郷猛に被って見えて実質的な「変身」もメリハリが効いていて小気味よい。
当然、警察の中にもワルモノ側の裏切り者がいてコヤツが実に憎たらしくて腹立たしい上手い役者さんが演じている。
しかし今回の韓国をドラマにもたくさんの韓国車が出てくるがほとんど見たことはない「ヒョンデ」や「キア」製なのだがカローラやハイエースにソックリで笑ってしまった。
後半にかけてストーリーがちょっと読めてしまうのが玉に瑕だがそれでもかなりの面白さではある。
ラストになんとあの菅田将暉が日本語のセリフのまま登場したのは日本人にとってはかなりのインパクトがあるし、続編はもしかして菅田将暉がメインのキャラにでもなるのだろうか。
今からもう続編が待ち遠しくて仕方がない寄生獣 ーザ・グレイーだった。