インドの諜報(ちょうほう)員が、テロ組織との戦いに身を投じるスパイアクション。
インド諜報(ちょうほう)機関RAW所属のベテランスパイが、生物兵器の攻撃を止めるために奔走する。
メガホンを取るのは『WAR ウォー!!』などのシッダールト・アーナンド。
『命ある限り』などのシャー・ルク・カーンのほか、『パドマーワト 女神の誕生』などのディーピカー・パードゥコーン、『ディシューム』などのジョン・アブラハムらが出演している。
インド政府がカシミール地方の自治権をはく奪したことに腹を立てたパキスタンのカーディル将軍は、インドへの復讐(ふくしゅう)を誓い、インドの諜報(ちょうほう)機関であるRAWの元スパイ・ジム(ジョン・アブラハム)と手を組み、テロ攻撃を企てる。
一方RAW諜報(ちょうほう)員のパターン(シャー・ルク・カーン)は、ジムが計画する生物兵器攻撃を阻止するためにテロ組織と対決する。
CS放送のムービープラスチャンネルで日本語吹き替え放送されていたインド映画。
X上でこの映画を取り上げて面白いと論評しているポストをたまたま見つけたので録画して観てみた。
インド映画と言えば長い上映時間に突然歌って踊り始めるミュージカル的な演出が一般的で特に最近は「RRR」で死ぬ程ハマったのをよく覚えている。
この作品もご多分に漏れず146分あるがコレでもインド映画の平均にしたら短い方だ。
劇中で日本の金継ぎが紹介されているがまさかインド映画でこんな日本古来の技術が出てくるなんて意外だった。
役者は誰もわからないが主演男優はムキムキの凄まじい身体をしていて典型的なインド人というより欧米人みたいな顔をしている。
諜報員がテロと戦うなんてTWENTY FOURみたいな設定だが、アメリカの場合は中東や中国、ロシアが敵国になるがインドの場合だと隣国パキスタンを敵国設定したらシャレにならんが大丈夫か(笑)
インド映画のあるあるなのが、男優が全員濃い顔してるので誰が誰なのか分からなくなることがあるが(女優は別(笑))この作品もちょっと気を抜いているとそうなってしまう(笑)
派手なカーアクションや格闘シーンなどTWENTY FOURと言うよりミッションインポッシブルに近い。
お約束のミュージカルはこれまで見た事あるのとは違う形だがしっかりあってこういう使い方もあるのかと感心してしまった(笑)
インド映画らしく、「んなアホな!」という様なツッコミ所は満載ではあるがこの手のスパイ映画でも単なるシリアス路線にならずコミカルに描くのは観ていて楽しい。
友好国たるロシアが舞台になるのはインド映画のインド映画たる所以だがさすがにこんな展開はなかなか見る事はない。
アクションシーンのあまりの荒唐無稽っぷりに苦笑いしてしまうがそこら辺をお笑いを取りながら見せてしまうのがまあインド映画の魅力とも言える。
ミッションインポッシブルに似てるドコロか完全にパクッてるとしか思えないシーンの数々もご愛嬌なのだろう。
ラブシーンが極力少ないのもインド映画の美点とも言えこの作品も色っぽく美人のヒロインが登場するが要らぬ惚れ腫れがなくサクサク進んで行く。
雪原の上をオフロードバイクが走るのはまあまあまだ許せたが凍った湖の上をそのままフツーにバイクが走りそれを追いかけてスピードスケート履いた女子が追いかけてくるとか、幾ら何でもあり得なく半笑いしてしまったが、コレもまあインド映画ということか。
テロリストの悪役はビシッと極悪非道でキャラが立っていて実に憎たらしく作品を引き立てている。
とにかく無理が通れば道理が引っ込む的なむちゃくちゃな展開ではあるがコレぞインド映画だと途中から割り切って、まるでアニメを観ているような寛容を持つことにした(笑)
エンタメ作品としてはかなり楽しめるのは事実でコレからもまだまだ伸びる可能性をヒシヒシと感じさせるPATHAAN/パターンだった。
予想通りラストはお得意のカメラ目線ミュージカルでこう言うのもシンプルに面白かった。