『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に続き、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが監督を務めるアクション。
世界崩壊から45年後、故郷からさらわれたフュリオサがバイカーたちの軍門に降り、荒廃した世界で城塞都市の支配者イモータン・ジョーとの戦いに巻き込まれる。
主人公フュリオサを『ラストナイト・イン・ソーホー』などのアニャ・テイラー=ジョイ、バイカー軍団のリーダーを『アベンジャーズ』シリーズなどのクリス・ヘムズワースが演じる。
世界崩壊の45年後。故郷である緑の地からさらわれ、家族と引き離されたフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)は、荒地を掃討するディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)率いるバイカー軍団の手に落ちる。
彼らは水や緑、石油、土地などをめぐり、城塞都市を統べるイモータン・ジョーと争っていた。
フュリオサは彼らと行動を共にしながら故郷への帰還を目指す。
マッドマックスシリーズの最新作。
ただ時系列的には前作のマッドマックス 怒りのデス・ロードの一つ前でフュリオサの生い立ち話になる。
前作で既にマックスより実質主人公だったフュリオサが満を持して名実ともに堂々主役を張っている。
なんだかんだ言ってもマッドマックスシリーズは一貫してジョージ・ミラー監督のメガホンなので内容に一貫性があってわかりやすい。
それでもストーリーなんてアバウトであって無きが如しのようなもんで、要はCGに頼らない実写カーアクションのど迫力を楽しむ作品と割り切った方が良かろう。
前作ではシャーリーズ・セロンが演じていたフュリオサだが本作では前半は子役で後半の大人になってからはアニャ・テイラー=ジョイという女優さんに変更されている。
アニャ・テイラー=ジョイはデューン 砂の惑星 PART2にも出演されていたようだがどの役だったのか全く覚えていない。
悪役のクリス・ヘムズワースという俳優さんはどつかで見た事もあると思っていたが、あの「マイティーソー」を演じていた人だ。
今回もマッドマックスらしく赤い砂漠が舞台でコレも一作目からずっと変わらず、おそらくはオーストラリアで撮影されているのだろう。
相変わらず北斗の拳の世界観(正確に言えば北斗の拳がパクった)は独特でコレを思いついただけでもマッドマックスシリーズの価値はかなりものんだと思える。
劇中のバイクやクルマは初期のマッドマックスのように原型を残しておらず辛うじてBMWの水平対向エンジン搭載車が確認できる程度だ。
オフロードバイクは一般的な市販車ではなく競技用のモトクロッサーに見える。
それにしても終盤の派手なアクションシーンは見応えじゅうぶんでついつい我を忘れて見入ってしまった。
フュリオサが左手を失った理由もトレードマークたる坊主頭になった経緯もちゃんと描かれていて伏線回収も抜かりないが、細かいストーリーとかは完全にぶっ飛んでいてここまで振り切っていると清々しくある(笑)
マイティーソー俳優の悪役もかなり頑張っているのだが何ていうか全体にお行儀が良くもう一つ狂気じみた所が足りない気がした。
それでも面白さがちゃんと持続するのはメカニカルな部分もあるがとにかくこの作品のアクションシーンが魅力的だからだろう。
ラストがちょっとクドい気がしないでもないが期待に違わぬデキに満足度はかなり高かったマッドマックス:フュリオサだった。