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ネットフリックスドラマ/地面師たち

  ドラマ「地面師たち」の配信が2024年7月25日、「Netflix(ネットフリックス)」で始まった。

 他人の土地の所有者になりすまし、虚偽の売却で金をだまし取る不動産詐欺を行う「地面師」の手口を描いた同ドラマ。監督は、映画「モテキ」、ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」などで知られる大根仁さん。

 原作は2019年刊行の新庄耕さんの小説「地面師たち」。同作は2017(平成29)年、住宅メーカー「積水ハウス」が、西五反田の旅館「海喜館(うみきかん)」の土地の売買で地面師グループに約55億円をだまし取られた事件を元にしている。ドラマ第1話では恵比寿の土地をだまし取る手口とマネーロンダリングの流れを描き、第2話以降は泉岳寺エリアの広大な土地を舞台に話が展開する。

 主人公の辻本拓海(綾野剛さん)は、ハリソン山中(豊川悦司さん)と名乗る大物不動産詐欺師率いる地面師グループのメンバーとして不動産詐欺を働いていた。次のターゲットは、過去最大の100億円不動産。再開発中だった高輪ゲートウェイ駅に隣接する泉岳寺エリアの土地を巡って、地面師、土地購入を図る不動産デベロッパー、事件を追う刑事の三つ巴の攻防を描く。

 地面師グループのメンバーを演じるのは、綾野さん、豊川さんのほか、北村一輝さん、小池栄子さん、ピエール瀧さん、染谷将太さん。大手デベロッパー「石洋ハウス」の幹部役に山本耕史さん、ハリソンを追う定年間近の刑事役はリリー・フランキーさんが演じる。劇伴音楽の制作は電気グルーヴ石野卓球さん。

 映画・ドラマライターの須永貴子さんは見どころについて、「偽造する本人確認書類のクオリティーの高さ、地主のなりすまし犯の仕立て方、犯罪の舞台となる土地を見つけるリサーチ力、稼いだ金を洗浄する方法など、地面師の手口そのものに引きつけられる。五反田の地面師事件をニュースで見た時に感じた『そんなことできるのか?』という謎が、このドラマを見て解けた。社会派ドキュメンタリーや社会のリアルな闇を描いたフィクションが好きな人にお薦め」と話す。

 「犯罪の舞台は、泉岳寺駅至近にある更生施設だった空きビルが建つ土地と、80台分の駐車場。所有者は隣接する広大な寺の女性住職で、実際にはそんな土地はこのエリアにはないが、周辺の高層ビル群を境内の周りにVFX(視覚効果)を使って映像を作り上げている。地元の方には違った面白みをもって風景を見ていただけるのでは」とも。

1話50分程度で全8話の日本のネットフリックスドラマ。

昔テレビのニュースで地面師事件とか報道していたが意味がわからなかったのであまり関心なかったが、その事実を元にした小説が原作のようだ。

一言で言えば集団地上げ不動産詐欺。

如何にも日本的な物語をネットフリックスで全世界に公開するのには、何らかの勝算があって事なのだろう。

ネットフリックスドラマには芸能事務所にブッこまれたアイドルもどきの下手な役者はあまり抜擢されないので、キャスティングには安定感がある。

特に地上波に締め出され、今やネットフリックス俳優となったピエール瀧の存在感には圧倒されっぱなしだ。

現代のいわゆる知能犯のお話しなので派手なドンパチがある訳でもないので予算的にもそれほどかからないとは思うし、全8話でどことなく日曜劇場みたいな雰囲気もあるがそれでもスケール感が全然違う。

主演は綾野剛で、この人は本当に色んな役をこなせるもんだと感心してしまうが、今回は豊川悦司とがっぷり組んで火花バチバチに見える。

小池栄子は出ているが内容が内容だけにむさ苦しいおっさんばかりのドラマかと諦めていたのだが警察官役で池田エライザが出演していて嬉しかった(笑)

池田エライザは昔映画かドラマか忘れてしまったが演技が拙くて見ていられなかったのに非常に実力をつけたようでリリーフランキーの後を継ぎ他の役者に負けないくらい重要な役柄をしっかり演じている。

地面師のチンピラで芸人マテンロウアントニーが出ていて悪役っぽいルックスがハマっていて笑いそうになった。

地面師グループはレクサスに乗っているが、綾野剛ジムニーが愛車でココらへんの設定も実にセンスを感じさせる。

エロシーンもありはするが適度な露出で茶の間で観ていても家族にドン引きされることは無い(笑)

冒頭からしばらくは、はっきり言ってそれほど面白くないのでリタイアしようかとも思ったが3話の終わり辺りから俄然面白くなってくる。

劇中で映画「ダイハード」の悪役評を話しているがコレが実に的を射ていて、よくわかってるヒトが脚本書いてるなーと思ったら監督と兼任のようだ。

この監督と脚本をやってる大根仁といくヒトは元々はテレ東で深夜ドラマの演出を多く手掛けてきてそこから映画に監督として進出し映画クレヨンしんちゃんの脚本・監督もやっている。

最近の作品だとドラマ「 エルピス-希望、あるいは災い-」のインパクトがあって確かにそのドラマのテイストがこの作品にも見受けられる。

主役は綾野剛だがラスボスを演じる豊川悦司の存在感が凄まじく、自分で話していたダイハードの悪役を参考にしている品のある極悪人を見事に表現している。

中盤から完全にハマってしまって全7話をたった二日で一気に通し見してしまった。

小池栄子の坊主姿はおそらくは特殊メイクだと思うがそのデキはホンモノにしか見えずさすがはネットフリックス、カネがかかってる。

どこまでフィクションでどこまでが実話なのかはわからないがラストの芸達者な二人のアクションはかなり見応えがある。

とにかく最後まであっという間に見終わっていて、終わった瞬間に脱力してしまった地面師たちだった。

大根仁監督はこの作品で世界に評価されてよい大掛かりな作品を手掛けそうで今からその作品が楽しみになる。

オススメ。