チューンナップした車を駆って、美女を惨殺する殺人鬼スタントマン・マイク。
ある映画の撮影に関わっている女性たちを新たな獲物として定めたマイクは、彼女らの運転する車に追突していく。
しかし、思いもよらぬ反撃を受けてマイクは狩る側から狩られる側に。
シンプルな展開とタランティーノ節がうまくマッチしている
曲のチョイス、車のセンス、マニアックな会話、全部良い
バタフライのラップダンスが印象的
超絶カーチェイスシーンが迫力ある
フェミニスト差別主義者が祀られる映画
ラジオ「アッパレやってまーす水曜日」でケンコバがラストシーンが一番強く印象に残った映画としてコレを上げていたので観ることにした。
ケンコバがこの映画を見終わった時に知らない客同士がハイタッチしていたと言う逸話を聞くといても立ってもおれなくなったと言うわけだ(笑)
そもそもデスプルーフとは直訳すると耐死仕様と言う意味でグラインドハウスとはアメリカ国内に多数あった場末の映画館という事らしい。
クエンティン・タランティーノ監督作品だが冒頭からB級映画感が半端なく漂い独特の雰囲気の映像になっている。
主演はカート・ラッセルなのでB級映画ってことは無いと思うが意図的にそういうような雰囲気にしているのかも知れない。
クエンティン・タランティーノ監督って出たがりなのかこの作品中にも脇役でまあまあ出演していて笑ってしまった(笑)
序盤は飲み屋のナンパみたいな展開でこの映画のジャンルは一体何なんだ?と掴みきれなかったが、昔のアナログフィルムを繋いだような演出は今となってはとても斬新だ。
映画のタイトル画像からしてクルマ関係の作品である事は薄々知っていたが途中からカート・ラッセルは本領発揮で、いわゆる悪役のようだ。
デスプルーフとはカースタントマンが乗るドライバーが絶対に死なないような改造が施されているクルマを指すようだ。
映像は古いフィルム調から時折モノクロになったして面白い演出だがこういうセンスが クエンティン・タランティーノ監督らしさなわだろうか。
クルマの映画だが登場するのはどれも古い年式のマッチョなアメ車ばかりでさすがに車種まではわからない。
要はカート・ラッセルが若い女性を物色してはスタントマン仕様のクルマで殺すというストーリーのようでグロいシーンもあって確かにこりゃスリラーだわ。
後半に入るとクルマ絡みのガールズトーク映画みたいになって違う作品のようになる。
この映画の後半に出てくる初期型のダッジチャレンジャーは何処となく日産スカイラインのケンメリに似ていてもしかして何らかの関係があるのかもしれないと思った。
今のように何でもかんでもCGで作れてしまう現代と違って2007年公開だからこの頃はまだまだ実際にスタントをやっていたと思うのでそれだけ特にカーアクションには迫力がある。
ネタバレになるので詳しくは書けないが確かにコレは知らない客とハイタッチしたくなるかもしれないくらい予想もつかないラストで、これまでになくスカッとさせてくれる。
正に隠れた名作と言え、さすがは鬼才 クエンティン・タランティーノ作品と納得したデスプルーフ in グラインドハウスだった。
オススメ。