「Lamborghini(ランボルギーニ)」の創設者、Ferruccio Lamborghini(フェルッチオ・ランボルギーニ)の驚くべき実話に基づくこの映画は、彼のキャリアの始まりであるトラクターの製造から、第二次世界大戦中の軍用車の製造、そして最終的に彼の偉大なレガシーを決定づけた「Lamborghini」車の設計と製造まで、この象徴的起業家の長い人生を年代順に描いている。
この映画は『ミリオンダラー・ベイビー』のプロデューサーを務めたBobby Moresco(ボビー・モレスコ)が脚本と監督を手がけ、FerruccioとEnzoのライバル関係に大きな焦点が当てられているが、プロジェクト全体を通じて印象的なのは、この創業者が揺るぎない完璧さを追求したことだろう。
また、登場する車も豪華絢爛で、「Lamborghini」初の市販車350GTから伝説のMiura(ミウラ)、そして象徴的スーパーカー Countach(カウンタック)はもちろん、「Ferrari(フェラーリ)」や「Porsche(ポルシェ)」「Mercedes Benz(メルセデス・ベンツ)」などの名車も登場する。
最近、フェラーリという映画が公開されたがそれに対抗する意味があるのか知らないがランボルギーニという作品も作られた。
ランボルギーニは元々耕運機の会社社長がフェラーリに負けないクルマをと言う事で、対抗して出来たメーカーということくらいは知っている。
ソレを映画にするのかわからないが今でもフェラーリの正式なライバルっているので言うのはランボルギーニなのだろう。
フェラーリは単独で独立しているがランボルギーニは今やフォルクスワーゲングループの傘下でその影響を受けているが、オリジナリティ溢れるスタイルはやはりランボルギーニ独自のものだ。
前が長く後ろが短いフェラーリに対し、前が短く後ろが長いランボルギーニはスポーツカーの展開的な造形として確立している。
世界耐久選手権やF1でもフェラーリとランボルギーニの激突は見せ場の一つだしこう言うメーカーはイタリアの誇りではある。
ランボルギーニの言えばあのミウラの運転席に乗ったことがあるがあまりの視界の悪さに驚いたのを良く覚えている。
その時運転しても良いと言われたがそんな貴重なクルマを壊したらアレなので尻込みしてしまった(笑)
ただその流麗なスタイルのミッドに横置きされたV型12気筒エンジンの音は忘れられない。
自分が小学生だった頃、「サーキットの狼」というマンガが社会現象になりいわゆるスーパーカーブームと言うやつが訪れた。
その人気の中心だったのは、フェラーリベルリネッタボクサーとランボルギーニカウンタックだった。
この作品でもその BBとカウンタックの並走は描かれるが、もう半世紀前の骨董品をこんなにキレイに保存して実際に走らせるのは大変だろう。
リトラクタブルヘッドライトなんてこの二台の強烈な影響で後のスポーツカーにこぞって採用されたようなものだろう。
映画フェラーリは暗くて重い内容で個人的にはあまり面白いとは思わなかったが、今回のランボルギーニは1時間半という短い上映時間もあるがランボルギーニのスーパーカーが出来るまでをサクサク展開してくれるのでわかりやすい。
どこまで史実に基づいているのかわからないがかなりリアリティのあるストーリーにたちまち完全に惹きこまれてしまった。
確かにエンツォ・フェラーリという名前は雑誌などでよく見かけたしその名を冠したフェラーリまであるのにフェルッチオ・ランボルギーニという創業者名はあまり馴染みがない。
そのフェルッチオ・ランボルギーニがエンツォ・フェラーリに直談判して、返り討ちにあってスーパーカーの製造を決意したという話しは本当だったようだ。
この作品はフェルッチオランボルギーニの若い頃と壮年になってからの役者が変わるのだがココらへんは特殊メイクかなんかでどうにかならんかったんかと思う。
だんだん誰が誰かわかってくるがこんな短い作品の中での役者チェンジは慣れた頃に終わるという事になりかねない。
ランボルギーニの第一号車が3500GTというクルマなのは知らなかったが、3500GT(3200GT)というとマセラーティのイメージが強い。
かくしてスーパーカーメーカーになったランボルギーニだがフェラーリ同様に経営は大変だったようで、理想と現実の間で相当な苦労があったようだ。
ただ前が短く後ろが長いスポーツカーを作ると絶対に「ランボルギーニみたい」と言われるくらいの普遍的オリジナリティを確立したのはやなり凄いことだ。
最後に優雅に走る黄色いランボルギーニ・ミウラが出てくるが今見ても溜息が出るほど美しい。
実話ベースだから仕方ないのかも知れないが、映画としてのストーリーは尻切れトンボみたいになってちょっとアレだったけど、色々楽しませてくれたランボルギーニ、伝説を継ぐ男だった。