宇宙世紀 0079 年、ジオン公国は地球連邦政府からの独立を宣言し戦争状態に突入した。
新兵器モビルスーツの活躍により序盤こそ優位を保ったジオン軍だったが、地球の全面制圧を行う戦力はなく戦況は膠着する。
そして開戦から 11 ヶ月後、東欧のジオン軍占領下にある基地の一つが連邦軍に奪取される。
その奪還に向かう混成大隊の中に、宇宙から降りてきたばかりのモビルスーツ小隊、ソラリたちレッド・ウルフ隊の姿もあった――
2024 年 10 月 17 日(木)Netflix にて世界独占配信中
監督
エラスマス・ブロスダウ
脚本 ギャビン・ハイナイト
キャラクターデザイン マヌエル・アウグスト・ディシンジャー・モウラ
ネットフリックスで公開されたフルCGガンダム最新作。
監督も脚本も日本人ではないが制作はサンライズなので大きく脱線する事はないとしもあまり期待できないと踏んで観た。
基本的に ジオン兵からの視点で描かれていてザク搭乗のガンダムはまさに「白い悪魔」そのものだ。
これまでジオン目線の作品はあったけどここまで克明に一年戦争の初期型ガンダムの恐ろしさをしっかり映像化したのは初めて見たような気がする。
同時にガンダムのフルCGってのも見たことがない。
肝心のフルCGモビルスーツだが主役たる「ザク」がどうにもカッコ悪いのはいただけない。
隊長機たる赤いザクが出てくるのでシャアかと思ったが主役の女性兵士だった。
この作品にはシャアもアムロも出てこないのだろう。
ちょっと前までのフルCGアニメって特に人物の表情に違和感がありありだったがかなり改善されていて自然になっていてびっくりした。
テーマはファーストガンダム同様に人類の革新、要するにニュータイプのようで主役の女性はちょっと先の事がわかるように表現されている。
ニュータイプをテーマにするのならもう少し表現の仕方があると思うが、この作品では主人公が仮にニュータイプでなくともストーリーが成立してしまいそうだ。
最強モビルスーツガンダムの悪役っぷりは相当なもんで、デザインは悪役にしたらまあまあだけどその高性能ぶりは凄まじくザクもグフも相手にならない。
ファーストガンダムでは雑魚扱いだったモビルスーツジムもソコソコ強くてさすがにコレは笑ってしまった。
この作品が、元々の一年戦争の何処の部分に入る話しなのかと思っていたが、シャアもアムロも居ない全く別次元の世界観のようにも思える。
どちらにしろアクションシーンは確かに見応えがあるがストーリーは凡庸で、オリジナルのファーストガンダムのようなアムロのニュータイプとしての覚醒と成長とかの骨太なテーマとかはない。
ストーリーがつまらなければどうしても観ているモチベーションが下がってくる。
ただこの作品が事実上の機動戦士ガンダムの世界デビューだとしたら存在意義は大いにある。
ガンダムの基礎知識がある者は良いが初めてガンダムに接するヒトはこの作品を面白いと思うのだろうか?
無人機やドローンが兵器になる時代に人間が乗るバカデカいモビルスーツなんて絶対に実用化されるわけないし、なんならボトムズの アーマードトルーパーの方が遥かに現実的だ。
それを踏まえるとこの機動戦士ガンダムが根底から覆るワケで、ロボットアニメに馴染みがない海外の人から見ればリアリティがなさ過ぎてついていけないのじゃないか。
実質一話20分だから全部で2時間くらいの作品になるのでサクサク進めてあっという間に見終わってしまう。
印象に残っているのは戦闘シーンだけと言うちょっと薄っぺらい内容はファーストガンダムファンからすれば残念だ。
CGアニメの迫力を見れば将来的にはアニメって全部コレになっても不思議ではないくらいだ。
その可能性が知れただけでも観る価値はあったのであろう機動戦士ガンダム 復讐のレクイエムだった。