1963年公開
製作国:日本
上映時間:113分
若き弁護士の犯した完全犯罪を、老練な検事が暴く犯罪サスペンスの逸品。
堀川弘通監督の演出はもちろん、橋本忍による脚本、撮影・村井博の陰影ある画調など一流映画人たちの技術を堪能できる。
弁護士・浜野は不倫関係にあった恩師の妻を発作的に殺す。
その後、窃盗犯・脇田が逮捕され、検事・落合の追求の末に脇田は夫人殺害を自白。
浜野は良心の呵責から「真犯人は別にいるはず」と落合に絡んでしまう。
白と黒と言う白黒映像の日本映画。
かなり古いがネットでの評価が高いので観てみる事にした。
仲代達矢:浜野一郎(弁護士)が殺人犯で 小林桂樹:落合克巳(東京地検捜査検事)が追い詰める作品。
若い頃の菅井きんが女中役で出ているのはさすがに直ぐにわかった。
他にもちょいちょい見たことがある役者さんが出演していて、おそらくはほとんどの方が亡くなっていると思うが、懐かしい。
映画の冒頭に殺人があり犯人もわかった上でコレを検事が追求するという、刑事コロンボや古畑任三郎スタイルの作品のようだ。
刑事ではなく検事が真実を暴いていくなんてところはキムタクのドラマ・ヒーローみたいでもある。
前半の取り調べシーンが必要以上に長くてコレは何とかして欲しいとも思うが作品の伏線を張るという意味では必要なのだろう。
現代のレベルからすればそれほど面白くて見入ってしまうほどではないが当時ではスリリングな展開だったのだろう。
中盤はとにかく本編に関係のない余計なシーンが多くあってどことなくダラダラしている印象を受けるのは残念だ。
白黒映像に昭和の東京が映し出され、コレが本当に東京かと思うくらい田舎でビックリする。
登場人物は殆どがスパスパとタバコを場所を構わず吸いまくるのはさすがに今じゃ考えられない(笑)
もうちょっとテンポ良くしてくれたら嬉しいがどうにか食らいつく事にした。
こんなふうに検事が刑事みたいにマメな聞き込みみたいなのをやるのか知らないが、この作品のリアリティがあるのかよくわからない。
犯人が良心の呵責で罪を告白する展開はまあわかるのだが、やはりもうちょっと隠蔽工作をしてくれないとストーリーが薄っぺらくなってしまう。
期待が大きかったのも事実だが肩透かしを食らったような印象がどうしても拭えない。
と思っていたが最後のどんでん返しには参った。
こう言うストーリーはさすがに読めずラストは白黒画面に釘付けになっていた。
こんなに古い映画なのに評価が高いのがよくわかる。
終わってみればさすがの傑作だと認めざるを得ない白と黒だった。
完全にヤラレマシタ(笑)