『呪怨』シリーズなどの清水崇が監督を務め、ドラマ「だが、情熱はある」などに出演してきた元NMB48の渋谷凪咲を主演に迎えた学園ホラー。
補習授業が行われている夏休みの学校で、いないはずの生徒が怪奇現象を巻き起こす。
共演は『違国日記』などの早瀬憩や『君たちはどう生きるか』で主人公の声を担当した山時聡真、荒木飛羽、今森茉耶、蒼井旬、染谷将太など。
臨時教師として補習クラスを担当していた君島ほのか(渋谷凪咲)は、ある女子生徒が屋上から飛び降りる瞬間を目撃する。
再び夏休みに補習授業で指導していたほのかは、いるはずのない生徒の存在に気付く。
ほのかと補習授業を受けていた三浦瞳(早瀬憩)や前川タケル(山時聡真)ら生徒たちは、やがてその女子生徒にまつわる衝撃の事実を知る。
吉岡里帆のポッドキャストに清水崇監督がゲストで出演していてこの作品の宣伝を話していたのでついつい観たくなってなってしまった。
吉岡里帆は出演していなくて主演は渋谷凪咲だがいつも天真爛漫に笑っているイメージの渋谷凪咲にとにかく笑わないように演技指導したと話していた。
ホラー映画と言えば新人や演技経験の少ないアイドルみたいなのの登竜門みたいな作品が多くオバケより役者の悲惨な演技が怖かったりするのだが渋谷凪咲なら安心していられる。
ホラーと言えば怖がらせるかビビらせてくれてナンボなのでこの作品にもそういうのを当然期待している。
先生役で松尾諭が出演しているのだが彼はよくこの手のホラー作品に出ているような気がするのだが、たまたま総じて出演作が多いだけだろうか。
渋谷凪咲はいつもと違ってあまり笑わないが比較的演技力がしっかりしているのでそこら辺はさすがだ。
今どき滅多に見かけないポータブルカセットテープレコーダーが物語のキモになってくるのだがやはりこう言う懐かしいアナログガジェットの方がホラーにはよく似合う。
ホラー映画は客を怖がらせてナンボだと思うのだがこの作品は役者の頑張りもあってけっこう怖い。
だけどストーリーの意味がよくわからないので作品として何が伝えたいのか理解できなかった。
なので特に終盤にかけて観ていて眠くなってしまったのには参った。
怖さ優先のホラー映画なんだからストーリーそっちのけでも良いのかも知れないが、ソレならもっと残酷なシーンを増やしておどろおどろしくして欲しかった。
1時間47分の上映時間は適切で恐怖シーンのテンポも役者の演技も良いのだがそれだけにかなり惜しいと感じる。
特にラストの意味は更にわかりにくく正直これじゃいくら怖いシーンでも頭に「??」と思うだけでついて行けない。
要は作品のコンセプトのツメが甘いようで怖いシーンは多いしよく出来ているのにトータルとしてはつまらない。
渋谷凪咲を愛でる目的であれば満足できるが、染谷翔太の無駄遣いが目に余ったあのコはだぁれ?だった。