古代ローマを舞台に、復讐(ふくしゅう)に燃える剣闘士の闘いを描いた『グラディエーター』の続編。
ローマ帝国の圧政によって自由を奪われた男が剣闘士となり、闘技場での闘いに身を投じる。
監督は前作に続き『ブレードランナー』シリーズなどのリドリー・スコット。
『aftersun/アフターサン』などのポール・メスカルが主演を務め、『イコライザー2』などのペドロ・パスカル、前作と同じ役柄で続投するコニー・ニールセン、オスカー俳優デンゼル・ワシントンのほか、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャーらが共演する。
ローマ帝国が繁栄した時代。
静かな暮らしを送っていたルシアス(ポール・メスカル)は、将軍・アカシウス(ペドロ・パスカル)が率いるローマ帝国軍の侵攻によって妻を失い、捕虜となる。
アカシウスへの復讐(ふくしゅう)を誓う彼は、奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)との出会いをきっかけにローマへ向かう。
そこで剣闘士「グラディエーター」となったルシアスは、円形闘技場「コロセウム」で行われる闘いに身を投じる。
前作、グラディエーターを観ていないので大丈夫か?とも思ったがあのリドリー・スコット監督作品という事で観た。
一応基礎知識はあってローマ帝国時代の話しで映像の迫力が半端ないと話題になった作品だ。
タイトルのグラディエーターとはズバリ「剣闘士」の事で、タイトル通りそれほどややこしいストーリーじゃない事を願ってしまった(笑)
冒頭の大掛かりな戦闘シーンは噂通りのど迫力でついつい見入ってしまうくらいで、コレと比較したら先日の邦画キングダムシリーズなんてお遊戯会かと思うくらいだ。
勿論CGも駆使しているだろうがそれにしてもこの凄まじさには日本映画はまだまだ敵わないと言うのが正直な感想だ。
先の作品を観ていなくてもこの作品単体でストーリーが展開していくので大丈夫そうなので安心した。
予想通りかなり男臭い内容にとても好感が持てる。
名優デンゼル・ワシントンがラスボスとして出演しているが、正直このローマ時代に白人奴隷取りまとめ役で皇帝とサシで話せるような高い地位の黒人なんて本当に居たんだろうか?た疑問を覚える。
主演のポール・メスカルと言うには俳優は見たことがないが剣闘士らしいガッチリとしたマッチョ体格は如何にもという説得力がある。
彼は実際にはまだ28歳という若さだがこの作品では40歳くらいのオッサンにしか見えない(笑)
悪役もちゃんと居てかなりの存在感を出しているが、この作品ではやはり迫力ある格闘シーンが最大の見どころである事は疑いようがない。
猿と犬の中間みたいな獣が出てくるがこれはCG丸出しで逆に興ざめしてしまう。
それくらいに人間同士の格闘シーンの方が観ていてもリアリティがあって感激する。
2時間半以上も上映時間がある長い作品ではあるが激しい戦闘シーンと静かなシーンのメリハリが効いていて不思議と観ていて楽しい。
ただやはりこの時代の黒人元老達には違和感しかないし、どう考えてもこりゃ昨今のポリコレの成れの果てだろうとウンザリさせられる。
ストーリー的にはまあ平凡と言うか目新しさは何もなく至極オーソドックスではあるが、この手の映画は日本で言えば時代劇になるのだろうから、定番劇で当たり前なのだろう。
まあ何はどうあれ格闘シーンが面白ければ百難隠せるからそこら辺は気にならない。
ラストの格闘は迫力が半端なくどこまでCGなのか判別がつかないくらいに昔ながらの人海戦術には恐れ入る。
なんだかんだ言っても役者が文字通り身体を張った闘いを見せてくれるのはやはり一番感動させられる。
これまでこのジャンルの映画は避けて来たのだがこんなに面白いのならコレからは食べず嫌いせずに観ようと思ったグラディエーターII 英雄を呼ぶ声だった。