『ミスミソウ』の原作などで知られる押切蓮介のホラー漫画を、『貞子VS伽椰子』などの白石晃士監督が実写映画化。
夢の一戸建てマイホームに越してきた一家が、次々と不可解な現象に見舞われるさまを描く。
新居にすみ着く少女の霊・サユリによって家族を奪われた主人公を『ザ・ファブル』などの南出凌嘉、サユリへの復讐(ふくしゅう)を誓う祖母を『殺人鬼を飼う女』などの根岸季衣が演じるほか、近藤華、梶原善、占部房子らが共演する。
憧れの一戸建てマイホームに越してきた神木家。
家族7人そろって新居での生活が始まるが、不可解な出来事が立て続けに起こり、家族が一人、また一人と命を落としていく。
一家を不幸に陥れる呪いの根源は、この家にとり着く少女の霊・サユリだった。
絶望に打ちひしがれる一家の長男・則雄(南出凌嘉)の前に、認知症が進行しているはずの祖母・春枝(根岸季衣)が現れ、家族を奪ったサユリへの復讐(ふくしゅう)を誓う。
マンガ原作のホラー映画。
ホラーとしては珍しく駆け出しアイドルや事務所が売り出したいような若手俳優が出演していないのでてっきりB級映画と油断していた。
引っ越した家に悪霊みたいなのが居てコレが新しい住人に悪さするというある意味典型的なホラーの展開ではある。
その分、冒頭から中盤まではかなり怖くてホラーとしてちゃんと成立していて、ハッキリ言ってかなり面白い。
ただ主人公である長男にはかなりイライラさせられるがこれもそういう演出なのだろう。
但し、中盤から作品は一変する。
そういう意味ではこの作品はホラーとしてかなり斬新だが、いかにもマンガ的でもある。
前半大人しかった根岸季衣が突然覚醒してどえらい事になってくるのだが、根岸季衣はかなり高齢だと思われるがとても若々しくエネルギッシュで後半実質主役に躍り出る(笑)
そして勇敢で実に頼もしいのだが、それとともにホラーから離れコメディー色すら帯びてくる。
後半は根岸季衣扮する婆さんがサユリに復讐するのだがそのエキセントリックさには怖いと言うよりやはり笑えてしまう。
物語のオチもかなろ飛躍した内容でやはりマンガチックで説得力が弱い。
それに終わり方はかなり雑で強引に辻褄合わせ感がありありだ。
ただ日本のホラー作品としては新しくこう言う試みは評価に値すると思う。
最後の最後はなんじゃこりゃ??とばかりに申し訳無いが声を出して笑ってしまってホラーだったのが完全にコメディー作品としてガチで面白かったサユリだった。