
1993年川尻善昭監督作品。
「妖獣都市」「バンパイアハンターD」の川尻善昭監督による時代劇アニメ。
江戸時代前期。
望月藩お抱えの甲賀組の忍びたちは、下田村に蔓延する謎の疫病を調査するため村に潜入するが、謎の忍び軍団・鬼門八人衆に襲撃され、ほぼ全滅してしまう。
ただひとり生き残ったくノ一・陽炎は、主を持たない「はぐれ忍び」の牙神獣兵衛に偶然助けられる。

自身も鬼門八人衆から命を狙われる身となった獣兵衛は、鬼門八人衆を追う公儀隠密・濁庵や陽炎と行動をともにすることに。
次々と襲い来る刺客たちと壮絶な戦いを繰り広げる中、獣兵衛は自身の過去の因縁と向き合っていく。
アメリカでは「Ninja Scroll」のタイトルでビデオ発売され人気を集めた。
2003年には続編となるテレビアニメ「獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇」が制作された。

妖獣都市は学生時代にレンタルビデオで難度も観たがこの作品は残念ながら知らなかった。
Amazonプライムビデオにあったのでコレを観た。

確かにアニメの雰囲気は良く似ているが時代劇でこんなエログロなのは珍しい。
作画は確かに妖獣都市とよく似ていて今のようにCGは使われていないが映画だけあって手書きで丁寧に仕上げられている。

上映時間は1時間半でココらへんも妖獣都市と同様だ。
今から30年以上前の作品ではあるが主演は山寺宏一で、この人がいかに長く第一線で声優をやっているかがよくわかる。

悪役のキャラクターデザインが西洋風になってしまっているのはこの手の作品によくある事ではある。
最初から手練の変な爺さんが出てくるところもキャラクター構成も妖獣都市にソックリではあるが、よくよく見れば全体に妖獣都市の時代劇版とも言えなくもない(笑)

敵は8人のようでコレが次々と襲って来るというお話。
コンセプトは勿論、「大人が楽しめるアニメーション」だと思うが最近はこう言う作品がほとんどないのがやはり寂しくはある。

こんな古い作品だがすっかりこの作品の世界に惹きこまれてしまっていた。
ラスボスが北斗の拳のケンシロウみたいなのは良いが江戸時代にはありえないようなタンクトップ着ているのは失笑してしまう(笑)

まあアニメだからツッコミ所はある程度覚悟はしているがシリアスな展開で笑えるのはちょっといただけない。
ただ大人のアニメとしてはちゃんと成立していて見応えは確実にある。

ラストの船での決闘も迫力じゅうぶんで手書きアニメの良さみたいなのが画面にほとばしっているのがよくわかる。
終わり方もヒネリが効いていてシャレているし、是非ともこんな大人向けエログロアニメ映画を再び作って欲しいと切に願ってしまった獣兵衛忍風帖だった。
オススメ。