らをた広島

食べ歩きブログ

きみの色

『映画 「聲の形」』『リズと青い鳥』などの山田尚子が監督を務めた長編アニメーション。

不思議な能力を持つ少女が、3人でバンドを組んで過ごす日々を映し出す。

『フラ・フラダンス』などの吉田玲子が脚本を担当し、『映画 「聲の形」』『リズと青い鳥』でも山田監督と組んだ牛尾憲輔が音楽を手掛けている。

企画とプロデュースを『天気の子』『すずめの戸締まり』などの STORY inc. が担当する。

ミッションスクールに通う高校生のトツ子は、幼いころから人が色として見えている。

ある日、古書店でとても美しい色を持つ美少女、そして音楽好きの少年と出会ったトツ子は、彼らとバンドを組む。

まずは独特なアニメーション表現に驚かされる。

何ていうか最近流行りのフルCGとは真逆の特に人物が手書きのような映像はとても新鮮であると同時に懐かしく和ませてくれる。

予備知識も何もなしに観始めたが要は女子校のバンドの物語であることは直ぐに理解できる。

何やら思わせぶりなタイトルだがアニメーションにも色でアクセントを付けているようで、若い子向け作品のようだが何とかついていける。

路面電車で坂がある海の近いキリスト教が盛んな街が舞台なのだが、これは何処だろうと思って調べてみたら長崎のようだ。

バンドと言えば普通はドラムにベースにキーボード、そしてボーカルという構成だと思うがこの作品のソレはかなり変わってる。

いかにも女性が造ったような作風はオッサンにはちょっとわからない部分も有りはするのだが音楽と色の関係とか興味があるので頑張って食らいつく事にした。

自分も遥か昔、高校生の頃バンドやっていたが、音楽ファイルをスマホで簡単に共有できるのは、便利すぎると柄にもなく羨ましくなった(笑)

男女交際禁止のミッション系女子校ってのが本当にあるのかわからないが、この設定がこの作品をまるでヨーロッパの作品のように見せている。

そういう意味では浮世離れしているがソレはソレで面白い個性になっている。

ただちょっとあまりに綺麗事の連続で正直歯が浮く感覚に辟易してしまったのも事実だ。

バンドって言うからもっと音楽を追及するのかと思っていたのだがぜんぜん違っていて、後半はかなりしんどくなってきた。

この作品のターゲットは誰なのかよくわからないのだが、基本的には若者の成長がテーマみたいで微笑ましい。

ただ全体に地味な作品なのは確かで、その良さがなかなか伝わりにくかろう。

ラストはそのバンド演奏になる訳だが肝心なそのシーンのデキがイマイチであまり訴えかけるものがあまりなかったのは残念だ。

手書き風のキャラクターは良かったがトータルとしては、何が伝えたいのかよくわからない不思議な作品に思えたきみの色だった。