
テレビシリーズ2nd GIGの総集編だが、まるで1本の映画のように全25話がまとめられている。
その編集の巧みさに拍手。
まだ、見たことのない人はぜひ、こちらで全貌を見てしまおう。

シリーズのように攻殻機動隊のメンバーそれぞれの見せ場こそ少ないものの、「個別の11人」と名乗るテロリストたちの集団自殺から始まる、ひとつの異変が国家を揺るがすほどの事変に拡大していくという、ドラマをたっぷりと目撃できるだろう。
難民問題から発展するナショナリズムなど、ぬるま湯につかりきった現代に効く物語になっている。

稀代の悪役、内閣情報庁のゴーダが“プロデュース”しようとする、理想を追い求めるテロリストのクゼが、いつしか憂国の志士に思えてくる。
その叙情的な物語のうねりが、じつに圧巻。そして、タチコマの最後の決断に驚き!

督・演出: 神山健治 原作: 士郎正宗 キャラクターデザイン: 下村一/後藤隆幸/西尾鉄也 メカニカルデザイン: 寺岡賢司/常木志伸 作画監督: 中村悟 音楽: 菅野よう子 声の出演: 田中敦子/阪脩/大塚明夫/山寺宏一/仲野裕/大川透/小野塚貴志/山口太郎/玉川紗己子

神山健治版の攻殻機動隊、セカンドシリーズ25話をまとめた言わば総集編。
個人的にはこの神山健治版、笑い男とこのセカンドギグが攻殻機動隊では一番好みだ。

前作の笑い男シリーズよりこちらの方が政治色がかなり強くなり物語もより複雑化している。
テレビアニメ版では公安9課のメンバー一人一人の過去を掘り下げた展開だったと思うがこの総集編ではそこら辺はザックリカットになったようだ。

「個別の11人」に「クゼ」、「合田一人」から始まるこの作品も前作に負けず劣らずわけのわからない世界観とマニアックな専門用語が飛び交う。
総理大臣はお飾りの体をしているが実はかなりの切れ者の女性でここらへんの世界観も未来を暗示しているようで面白い。

北方領土はいわゆる自治区になり曖昧な存在になっていると言う設定もこの作品ならではで、個性的だ。
銀行業務がAI化され、貯蓄額の小数点以下のカネを集めるとか、ホントにできるのかわからないような設定もなかなか見事だ(笑)

笑い男シリーズよりもタチコマのキャラクターと立ち位置がしっかりしていてココに関してはとちも好ましい。
今から20年も前の作品なのに古さを感じるどころかむしろ今更ながら新しさを感じさせるのは凄いことだ。

笑い男シリーズの続編なので当然ながら物語のスケールは数段大きくなっていてもはや核戦争寸前にまでになり、いわゆる刑事モノとはちょっと違う毛色になる。
だが面白いものでシリーズとしての完成度は笑い男シリーズの方が上だ。

ここまで政治色が強いと終盤にはちょっと説教臭く感じられココらへんの描き方が若干野暮ったいのは残念だ。
それでもあくまでも笑い男シリーズと比較した場合なので他の作品より明らかに突出しているのは間違いない。

それでも熱心にラストまでかじりついてみてしまう魅力はたくさんある。
もうちょっと思想性を抑えて初期のように刑事モノであって欲しかった攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Individual Elevenだった。