
『パラサイト 半地下の家族』などのポン・ジュノ監督が、エドワード・アシュトンの同名小説を実写化したSFサスペンス。
何度も生き返り、その度に過酷な業務を強いられる契約をした男の前に、自分のコピーが現れる。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』などのロバート・パティンソン、『レディ・マクベス』などのナオミ・アッキー、『ミナリ』などのスティーヴン・ユァンのほか、トニ・コレット、マーク・ラファロらが出演する。

失敗続きの人生を送ってきたミッキー(ロバート・パティンソン)は、何度も生き返りながら働くという契約をある企業と交わす。
過酷な業務を命じられて命を落としては生き返るという日々の中で搾取されてきたミッキーの前に、企業側の手違いで誕生した自分の分身が現れる。
ミッキーは、この状況を生かして企業への反撃に動き出す。

と言っても韓国人俳優ばかりのいわゆる韓国映画ではなくハリウッド作品のようだ。

何度も何度も蘇る事が可能な実験人間のお話し。
タイトルのミッキー17は17回目蘇ったという意味で間違いない。

劇中一瞬映る母親のクルマが三菱のGTOのように見えたが、もしそうならかなりマニアックな選択だ。
前半は世界観と主人公の置かれた状況解説に費やされるが中盤からいよいよ主題に入ってくる。

ただ主役が死んでも死んでも生き返るというのは太古の昔からあるストーリーでこの言わば個展みたいなのをどう展開させるのかがキモになる。
全体が飲み込めてくる最初はコメディかと思っていたが実際にはSFホラーみたいな内容である事にした気が付く。

ただ話しがそれほど膨らんで行かないので観ていてだんだんイライラしてしまう。
それに展開が遅くコレもどうにかならんのかと感じるが、だったら2時間15分という上映時間をもっと短縮できる筈だ。

韓国人監督作品に韓国人俳優が多く起用されているのだが全編英語のこの作品でのその必要性がよくわからない。
パラサイトは小気味良い展開で徐々に盛り上がったからそれに比べて貧弱に見えるのはしかたない。

とにかく狂った独裁者のやりたい放題シーンが延々と長過ぎて正直食傷気味になってきて、要はずっと溜飲が下がらないのは辛い。
アカデミー賞監督なのでかなり期待してしまったのも悪いのかも知れないがそれにしても終盤の盛り上がらなさはシャレにならない。

ナウシカに出てくるオウムによく似たムシみたいな生物が物語のカギになるのだが、このCGはよく出来ている。
あまりにつまらないのでパラサイトのように終盤にドカーンと思いきりアメリカン弾けるのだろうと予想するしかなくなってしまった。

だけどそこまで盛り上がる事なく、どちらかと言えば途中から透けて見えてしまったようなラストに辿り着いた。
この設定であればもうちょっとどうにかなったんじゃないかと、とにかく「惜しい」気持ちが一杯になってもったいない作品だったミッキー17だった。

残念ながら正直期待外れだった。