
雪の降る田舎町を舞台に、吃音(きつおん)のホッケー少年とフィギュアスケートを習う少女、かつて夢破れたコーチの3人が織り成すドラマ。
監督・撮影などを務めたのは、子供のころにフィギュアスケートを習っていたという『僕はイエス様が嫌い』などの奥山大史。
主人公をドラマ「天狗の台所」などの越山敬達、ヒロインを全日本フィギュアスケートノービス選手権大会出場経験がある中西希亜良、彼女のコーチを『宮本から君へ』などの池松壮亮が演じるほか、若葉竜也、山田真歩、潤浩らが共演する。

吃音(きつおん)のホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、音楽に合わせてフィギュアスケートの練習をしている少女・さくら(中西希亜良)に一目ぼれする。
ホッケー靴のままフィギュアのステップをまねては何度も転んでいるタクヤを見かねて、さくらのコーチで元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮)は、彼にフィギュア用のスケート靴を貸して練習に付き合う。
やがて荒川の提案により、タクヤとさくらはアイスダンスのペアを組むことになる。

小中学校でフィギュアスケートをやりコンパルソリーが苦手過ぎて高校で中断し大学でアイスホッケー部だったのでそっちの興味だけで観る事にした。
北米では4大プロスポーツに数えられるアイスホッケーだがここ日本ではマイナーもマイナー、競技人口に至っては1万人程度と年々激減しているのが現実だ。

当然ながら物語の舞台は北国でウィンタースポーツの盛んな場所となるが、要は若い子らの恋愛物語と考えて良いだろう。
この作品ではアイスホッケーの少年がフィギュアスケートの女の子とアイスダンスをすると言うストーリーのようだ。

アイスホッケーとフィギュアスケートって同じ氷上スポーツでも全く異なる競技ではあるが、それらを両立していたり自分のように何方かに中途転向するヒトは意外に多い。
フィギュアスケートのプロの有名なコーチが趣味でアイスホッケーチームに入っていて一緒にプレーした事すらある。

一般的にはフィギュアスケートからアイスホッケーへの転向は比較的楽だがその逆は難易度が高いと言われた事がある。
全体に長回しのワンカットが多くBGMは最小限と言う特徴がある作品でココらへんは監督さんの個性なのだろう。

ただ冒頭から展開の速度がやや緩慢でいきなり作品に引き込まれるとかそういうのはなく、もうちょっとサクサクやってほしい気もする。
それでも上映時間が1時間半しかないのでそれでも全然気にならない(笑)

ガキは知らないが実質主演は池松壮亮で、ホントにこの役者さんはスケート経験があるのか知らないが初心者感をださないように滑り、これが努力でそう見せているなら凄いと思う。
どことなく日本版、小さな恋のメロディみたいな感じでこう言うのはオッサンが観るような映画じゃないのは分かりきっていても正直心が洗われる。

劇中で池松壮亮はちょっと前のボルボのワゴンに乗っていて確かにこう言う寒そうな街にボルボはよく似合う。
この映画でも整氷車が出てくるが、アイスホッケーやってる時は「ザンボ」と呼んでいて正式名は「ザンボーニ」だとずっと思っていたが正しくは「ザンボニー」だったことを初めて知った。

ジャンプやスピンを熱心に練習するフィギュアスケートの女の子がシングルスからアイスダンスに転向する下りがやや唐突で、ここはもう少し必然性を持たせて欲しいかな。
自分はアイスダンスの経験がないが確かに思春期に好きな女の子とペアが組めたらそりゃ最高だったろう(笑)

ロケ地は北海道なのかわからないが極寒の地が表現され、どれもかなり美しい風景ばかりでかなり気を使っているのがよくわかる。
それは良いがこのほのぼののしたストーリーをどう展開させて映画として成立させるのかだんだん興味が湧いてきて、すっかり作中に没頭していた。

子供の恋の話しなのだが池松壮亮扮するコーチが同性愛者というのは流石にコレはオコチャマ向け作品ではないようだ。
女の子はかなり早い段階で大人になり同級生よりも大概年上の男性に憧れたりするもんだが、男の子は何時までもガキで相手にされなくなるのは経験した事がある(笑)

後半、セリフが聴き取りにくくてちょっと困ったが何とか内容は理解できた。
ラストはイマドキ何とも清々しい結末に爽やかで、トータルとしてはかなり良く出来ている作品だと思う。

最近では洋画がめっきり弱く邦画が強いそうだがなるほど、それなりに邦画のレベルは上がっているのは確実だ。
あまり期待していなかったせいもあるがかなり面白かったぼくのお日さまだった。