
「ザ・ボーイズ」ヒューイ役のジャック・クエイドと『異端者の家』(2025)で注目のソフィー・サッチャー主演、新感覚サイコスリラーとして米公開時から注目を集めていた映画『コンパニオン(原題:Companion)』は日本での劇場公開を見送られた。
コンパニオンロボット(セックスボット)として生まれた女性を描くホラー兼ダークコメディだ。
仲良しカップルのアイリス(ソフィー・サッチャー)とジョシュ(ジャック・クエイド)は、週末を過ごすためにジョシュの友人宅へとやってくる。
少し緊張気味のアイリスはそこで、ジョシュの女友達のキャット、キャットのボーイフレンドで既婚者のセルゲイ、陽気で社交的なイーライ、そしてイーライの恋人パトリックと過ごすことになる。
ある日アイリスは、セルゲイから不適切な接触を受けたこときっかけに暴走。
そこで、アイリスはジョシュから衝撃的な事実を告げられる。
それは、自分がコンパニオンロボットであること、ジョシュはアイリスのバイヤーであることだった。
ショックを受けるアイリスはさらに、この旅行の“裏の計画”を知ってしまう。

あの面白かった 『バーバリアン』のクリエイターの作品と聞いて居ても立ってもいられなくて観た日本未公開作品。
冒頭からヒョンデのEVが登場するがアメリカではコレはソコソコ売れているのだろうか。

主役の女優さんは見た事はないが当然ながらかなり魅力的でキレイだ。
ホラー作品という触れ込みだったが最初はどちらかと言えば恋愛映画のような淡々とした雰囲気だ。

数人の男女で人里離れた別荘に泊まりにくるってホラー映画のお決まりの設定に正直ワクワクしてしまった。
期待通りに途中からホラーな展開になり作品の全体像がだんだん見えてくる。

こう言う人間ソックリなアンドロイドが登場するSF話しは大昔から山ほどあるしなんならもはや定番ジャンルだとも思うが、それだけにありきたりでは既視感があるだろう。
要はオーナーにすっかり惚れてしまったアンドロイドが愛憎を理由に大暴走するお話。

クルマがヒョンデのEVである必要性があるのがわかってなるほどそういうことかと納得した。
ちょっと前に「ミーガン」という子供のアンドロイドが暴走する映画があったがそれの恋人版みたいな作品ではある。

アンドロイドがどんどん暴走してだんだん手がつけられなくなっていく様は、近い将来にホントにありそうでリアリティがある。
1時間37分という短い上映時間なので必死でついていかないとあっという間に展開するので置いていかれる。

その分、スリリングで楽しめるがあれよあれよと言う間にどんどん事態は悪化してホラー度が濃くなってしまう。
ちょいちょいコメディみたいなのも挟みながら基本はホラーと言うかスリラーだと思うが人間の身勝手さを考えさせられる。

ラストはアンドロイドが徐々に自我を持つようになるが残念ながら既視感がある。
ただそうだとしてもかなり面白い作品なのは間違いなくどうして日本未公開なのか理由がわからない。

映画であっても男が女を痛めつけるのはDVを見てるみたいであまり気持ちの良いものではないが、ラストにえげつない逆襲をしてスカッとした。
こう言う映画では珍しくオシャレなハッピーエンドなのにはちょっと笑えた。

個人的にはもうちょっと怖くしてくれた方が嬉しいがそれでもけっこう楽しめたコンパニオンだった。