
2024年に結成25周年を迎えた沖縄出身のバンド、HYの楽曲「366日」をモチーフにしたラブストーリー。
沖縄と東京を舞台に、一組の男女の時を超えた恋愛模様を描く。
『なのに、千輝くんが甘すぎる。』などの新城毅彦が監督、福田果歩が脚本、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』シリーズなどの日向萌が音楽を担当。
『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』などの赤楚衛二が主人公、『子供はわかってあげない』などの上白石萌歌がヒロインを演じる。

2003年沖縄、高校生・真喜屋湊(赤楚衛二)は同じ高校の後輩・玉城美海(上白石萌歌)と出会う。
好きな音楽を通じて惹(ひ)かれ合うようになった二人は、湊の卒業式に付き合い始める。
母親を病気で亡くした湊は音楽を作るという自分の夢を諦めかけていたが、美海に後押しされて東京の大学に進学。
2年後に上京してきた彼女と再会し、二人で幸せな日々を過ごしていたが、ある日湊は美海に別れを告げる。

よく宣伝していたのが印象的だったこの映画。
恋愛ものなのはわかっていたのだがまあ完全に門外漢なのは承知の上だ(笑)
沖縄が舞台なのだが景色が驚くほどキレイでコレを見せているだけで映画のグレードが上がりそうだ。

高校生のMD交換する音楽絡みの恋愛ものだなんてどことなく「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいな展開だ。
最初に上白石萌歌が病気になっているような表現があったので余計にそう思える。
ちょいちょい実年齢がチラついて高校生に見えないのも出演しているが、主演の二人がしっかりしているので見ていられる。

途中からこりゃ完全に高校生辺りをターゲットにしている作品だとわかったので何度もやめようかとも思うが何とか思い留まった。
まるで昔読んだ少女マンガみたいな綺麗事のオンパレードに個人的にサブイボ出っぱなしでしんどくなった。
ストーリー的にはありきたりでコレまでも似たようなのは何度も見た気がする。

知らなかったのだがコレは何年か前に広瀬アリス主演でテレビドラマ化されていたようだが、この映画と内容がちょっと異なるみたいで参考にはならない。
キレイな映像は終始徹底されているようでそれだけで目の保養にはなる。
ヒロインの上白石萌歌は頑張っていて演技も巧くて健気なのだが個人的には子役の稲垣来泉の方が目立っている(決してロリコン趣味はない)。

物語に何度もミニディスクが出てくるのだが自分はこのミニディスクなるものは使ったことがないし多分見た事もない。
この作品は2009年の設定なのでその頃既にMacとソフトバンクiPhone3Gを使っていたので使わなくても良かったからだろう。
昔、ソニーのウォークマンを使っていたが、カセットテープ一つしか入らないのが不便だった。

iPhone3Gは何枚ものCDが入ったのでその便利さに驚愕したのをよく覚えている。
物語も後半に入り心配した通り本当に「世界の中心で愛を叫ぶ」と同じ病気が登場したのには笑えてしまった。
美しい映像とは裏腹に演出も臭いのが多く玉城ティナのシロウト演技も相まって見ていられない。

それに対して元ジャニタレらしいが中島裕翔と言う俳優さんはルックスも演技もウマいと思う。
テレビドラマの方は3年間記憶喪失になるそうだが、それよりはマシかも知れないが都合良く主人公がポンポン病気になる展開はさすがに古すぎる。
とにかく泣かせようとしているあざとさまで感じられ、あまりに陳腐で苦笑いしたが涙は全く出なかった。

肝心な時に愛するヒトから逃げた卑怯なオトコの物語としか自分には映らなかった。
子役の稲垣来泉の女優としての将来が楽しみになった366日だった。