
原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画を原作にしたドラマ「孤独のグルメ」シリーズを映画化。
仕事で訪れた土地での食事を楽しみにしている主人公が、ある依頼を受けて究極のスープ探しの旅に出る。

シリーズを通して主人公を演じてきた松重豊が監督・脚本を兼任し、彼と旧知の甲本ヒロトがボーカルを務める「ザ・クロマニヨンズ」が主題歌を担当。
共演には『俺俺』などの内田有紀、『若き見知らぬ者たち』などの磯村勇斗のほか、塩見三省、杏、オダギリジョーらが名を連ねる。

輸入雑貨商を営む井之頭五郎(松重豊)は、かつての恋人の娘である松尾千秋(杏)からの連絡を受け、フランス・パリを訪れる。
千秋と共に彼女の祖父・一郎(塩見三省)を訪ねると、「子供のころに飲んでいたスープをもう一度飲みたい」と、そのスープのレシピ探しを依頼される。
わずかな地名を手掛かりに五郎は究極のスープを求めてレシピと食材探しを始めるが、いつしかそれは国境を越えた壮大な旅となっていく。

孤独のグルメは大好きなドラマなのでシーズン1から全話欠かさず観ているのでこの劇場版は楽しみにしていた。
今回アマゾンプライムで観れるようになったので早速飛びついた次第だ。

ソレでもあのマイナーなテレ東の深夜ドラマがこんな堂々とした映画になるなんて凄い出世ではある。
何時もは基本的に下町の大衆食堂みたいな店が多いので今回のようなオシャレなフランスパリの町並みが出ると違和感は拭えない。

この作品はナント主演の松重豊が監督・脚本と当然ながらこれ迄のテレビシリーズの総決算的な内容を期待してしまう。
個人的には今やどんな役をやっていても井之頭五郎に見えてしまう松重豊だけにこれ以上のハマり役もなかろう。

何時もはただただ「おっさんが飯食ってるだけ」なのだがさすがに尺が2時間近い映画版だとそうは行かないのである程度のストーリーはあるのだろう。
まあ食い物メインで繋げて行く訳だがパリから五島列島へとのストーリーとしては「んなアホなー!」連発なムリくり展開が有りはするが孤独のグルメの持つ独特なテイストは失われてはいない。

ソレは一にも二にも主人公の松重豊がどう見ても井之頭五郎そのものしか見えないからだろう(笑)
何時ものホンワカ予定調和ムードと一転、かなり緊迫したシーンがあるのも劇場版ならではと言う事で結構違う作風を楽しめる。

孤独のグルメは韓国でも人気があるとニュースで見た事があるが、実際作中でも韓国を舞台にするシーンがあってココらへんの気遣いも松重豊監督らしいのだろう。
ちょっと気になったとはBGMが何時ものドラマシリーズとちょっと違っているので映画の雰囲気が少しだけ変わったように思える。

映画らしくゲスト俳優が数人登場するがそれが実に孤独のグルメらしくて笑えてしまう。
終盤は何となく伊丹十三監督の「タンポポ」みたいなラーメンか展開になるのはおそらく意図的で、BGMの違いから他の作品みたいになりそうなのを井之頭五郎の存在がぎゅっと引き戻してくれる。

なるほどこういうストーリーであれば本来の孤独のグルメの良さを殺さないのだろうと思いながらラストに辿り着いた。
いつもの「おっさんが食ってるだけ」の内容ではなくなったがそれはそれで映画としての面白さはちゃんとあった劇映画 孤独のグルメだった。

これでまたテレビシリーズの続きが楽しみになってしまった(笑)