
30~40代の大人のロマンティックコメディとして始動し、“人に触れられない”“人の目を見られない”という、恋愛には絶望的に向かない男女の恋模様を、豪華キャストと日韓のスタッフが集結して描く。
原作は、フランス映画「Les Émotifs anonymes(邦題:匿名レンアイ相談所)」。日本では劇場未公開だが、2011年のフランス映画祭で観客賞を受賞するなど、ロマンスとユーモアを織り交ぜた物語に魅了された映画ファンから高い支持を獲得。知る人ぞ知る良作を、Netflixシリーズ作品として再構成した。

人気のチョコレートショップ「ル・ソベール」の新代表に就任し、誰もが羨むほどの順風満帆に見える人生を送る、日本屈指の大手製菓メーカーの御曹司・藤原壮亮(小栗旬)。だが彼は、実は“人に触れられない”という秘密を抱えており、恋愛はおろか社会生活にも度々支障をきたしていた。
そんなル・ソベールを影で支えるのが、人並外れた腕前とセンスをあわせもった“匿名の天才ショコラティエ”イ・ハナ(ハン・ヒョジュ)。彼女もまた、幼い頃から“人の目を見ること”ができないという秘密を抱えており、人知れずチョコレート作りに勤しんでいるのだった。

ある日、そんな壮亮とハナが思わぬ形で出逢った時、互いに“触れられない”“目を見られない”はずのふたりに小さな奇跡が起きる。まさに“運命の出会い”かと思えたが、その性格は正反対で、度々ぶつかり合うふたり。それでも真っ直ぐなチョコレートへの情熱をぶつけ合う中で、お互いの心は少しずつ変化していく。

トンイで主演を張ったハン・ヒョジュ出演の日本のネットフリックスドラマ。
プロデューサーと脚本は韓国人、監督は日本人と日韓協力作品と言うことのようだ。

冒頭からハン・ヒョジュは登場し驚くほど日本語が流暢で、こりゃちょっとやそっとの練習でお茶を濁したレベルではない。
かなり努力したのかそもそも日本に縁があるのかわからないがさすがはプロだ。

制作費が日本の一般的な地上波ドラマの約10倍とも言われるネットフリックスドラマだけにコレに小栗旬とハン・ヒョジュ出演とあれば自然と期待が膨らむ。
ハン・ヒョジュの役どころは対人恐怖症のパティシエ、小栗旬も潔癖症の菓子会社御曹司とか、ご都合主義甚だしいというかある意味ブッ飛んだ設定に笑ってしまった。

基本的に恋愛ものなのだが、苦手なジャンルである事は百も承知で観始めた。
ハン・ヒョジュはおそらくもう40歳くらいだと思うが実に若々しくて可愛らしくトンイの頃と何も変わっていない。

恋愛ものと言えば地上波ドラマではぽっと出のアイドルみたいなのが素人同然なお遊戯会を多く見せられたが、やはりこれくらいのキャリアがある役者に演じて欲しい。
恋敵と言うかそう言う立場で赤石仁が出ているがKAT-TUNのメンバーだった以来、久しぶりに見たがエライ印象的な俳優になっていてビックリした。

なかなかのコメディタッチな演出は何度も笑えてしまって、とてもありきたりでんなアホな!連発の展開と楽々先が読めるストーリーの良いスパイスになっている。
何というかまるで少女マンガのような設定と展開でちょいちょい歯が浮くようなシーンも散見されるが基本的にはコメディもあり面白い。

コレはおそらく脚本が良く出来ているのだろう。
トンイ以来、ハン・ヒョジュを見た事がなかったが、彼女が日本語でドラマ出演してるって日本に置き換えたら綾瀬はるかが韓国語で韓国ドラマにでているようなもんか。

ありきたりな設定にありきたりな展開で少女マンガみたい、とくれば通常だとつまらなくなるものだが、役者の質の高さと特にハン・ヒョジュの演技力と可愛らしさがグッとドラマの質を持ち上げている。
まあそれだけではやはり限界はあるのだがどうにかこうにか何話にも渡って面白さをキープさせるのは脚本家の実力が大きい。

ただ誰とも目が合わせられないのに普通に菓子屋のスタッフとして働いているのはまだしも、極度の潔癖症に描かれている小栗旬が実際劇クサ細菌だらけの剣道防具を付けているとか、とにかくツッコミ所は満載だ。
個人的に梶芽衣子は鬼平犯科帳の「おまさ」のイメージがかなり強いが歳を取られたが、さすがの存在感だ。

それにしてもこのあるような無いような出来事を繋ぎ合わせてちゃんとしたドラマに仕立てているのはある意味凄い。
ツッコミ所は満載で数え切れないくらいだがまあラブコメだからこんなもんだろうと寛大な気持ちになるのは笑えるシーンが良くできているからだろう。

ただそもそも謎のパティシエと言う立ち位置だったハン・ヒョジュがただのスタッフみたいになってしまって、最初の設定は無かった事になるのか心配になってきた。
しかし今時、こんな古典的で「ベタ」な恋愛ドラマも珍しく、大昔に興味本位で読んだ少女マンガそのもので笑える。

何処となく佐藤栞里に似ているように見えるハン・ヒョジュの可愛らしさでコレだけ持たせるのだから大したものだ。
都合良すぎる展開とサブイボ総立ちの恥ずかしさで歯が浮いて抜けそうになるのを何度も我慢してどうにか最終話までたどり着いた。

あまりにも予測通り過ぎて笑える程だがまあこういうストーリーにするしかないわな(笑)
この手のように明確な悪役がおらず全員良い人みたいなドラマは大概つまらないがハン・ヒョジュの巧すぎる日本語に免じて最後まで付き合う事に決めた。

なんの前触れもなく最終話で突然クーデターが起こり経営危機になるのは如何にも取ってつけたようではあるし、坂口健太郎がひょっこり出てきたり、まあ相変わらずツッコミ所だらけだ。
いつもクセの強い役をやってるケースが多い伊藤歩がごく普通のチーフといて自然体で演技しているのが逆に新鮮ではある(笑)

とにかくビックリするほど皆、良い人で誰とでも上手く付き合えるという理想主義的な綺麗事ごっこもようやく終わる。
ネットフリックスのドラマにしては正直ちょっと物足りないがなんだかんだで面白かった匿名の恋人たちだった。