
世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスを題材に描くヒューマンドラマ。
集団感染が発生した豪華客船ダイヤモンド・プリンセスが横浜港に入港した時点から、乗客全員の下船が完了するまでの日々を事実に基づいて映し出す。
監督を務めるのは『かくしごと』などの関根光才。
『罪の声』などの小栗旬、『あの頃。』などの松坂桃李のほか、池松壮亮、窪塚洋介らが出演している。

2020年2月、100名を超える乗客に新型コロナウイルスの症状が発生した豪華客船が横浜港に入港する。
DMAT(ディーマット)と呼ばれる災害派遣医療チームが出動要請を受けたものの、彼らは未知のウイルスに対応するだけの訓練経験を持っていなかった。
そんな中、DMATを統括する結城英晴(小栗旬)と厚生労働省の立松信貴(松坂桃李)が対策本部で指揮を執ることになる。

中国武漢発祥の悪名高きコロナウイルス。
あのパンデミックは悪夢以外何者でもなかった3年間だった。

視聴率稼ぐチャンス!とばかりにテレビメディアが恐怖を煽りまくり何の意味もなかった検査をゴリ押しして大混乱だったのを思い出した。
そのコロナウイルスの初期の騒動を描いた映画だがある意味よく作ったもんだと感心する。

一昔前と違って最近の映画界はアニメは勿論、実写も邦画が完全に席巻していて洋画のヒット作が極端に少なくなった。
理由は色々あるだろうが日本映画の品質が確実に向上しているのも大きな要因である事は否定できないだろう。

amazonプライムにこの作品が追加されたので早速飛びついたのだが日本語字幕が付いていないのは残念だ。
サブスクドラマを中心に最近は日本映画であっても日本語字幕を当てて観るのに慣れてしまったので是非対応して欲しかった。

主演は小栗旬で事実を元にしたストーリーが描かれる。
窪塚洋介は久しぶりに見たが当たり前だが年を取っていて以前とは雰囲気が随分と変わっていて驚いた。

実話ベースだけにリアリティがあり過ぎて生々しさすらある。
未知の新型ウイルスが蔓延した初期は皆が何が何だかわからなかったので右往左往する様子が描かれる。

ただそんな恐ろしいモノに向かって勇敢に立ち向かった医療関係者の勇気には頭が下がる。
医師でもない身元がよくわからない「専門家」なる輩を並べたて無責任発言を垂れ流したマスコミも忠実に描かれているが、小奴らが混乱の一端を担っていた事実は忘れてはいけない。

この作品でもマスコミがいかに前線の医療関係者達の足を引っ張りまくったかが描かれ怒りすら湧いてくる。
今から思えばマスコミ、特にテレビ報道の信頼度がコロナ騒動のお陰で急速に落ちて地に落ちたとも言え、そう言う意味では後から思えばテレビ離れを大きく加速させた原因になったとも言える。

基本的にオッサンがほぼ出演しているのだが中でも若い森七菜がそれらに対峙して頑張っているのが印象的だ。
最前線で起こった事実を再現する事であの時本当は何があったのかがわかる展開にとにかく色々考えさせられる事の連続だ。

自爆に近いがコレこそ地上波で流すべきだし、そう言う気骨のあるテレビ局がまだあるなら少しは見直せるのだがなかなかそうも行かないのだろう。
このコロナ騒動を乗り越えてSNSが強くなり今やマスコミを圧倒する程の存在になったと思えば、あの地獄のような期間もまんざらムダではなかったのかも知れない。

こういう深い作品を作れるようになった日本映画が興行的にも強くなったのもよくわかるような気がする。
面白かったと言うよりとても勉強になったフロントラインだった。