らをた広島

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プルリブス

世界中で社会現象を巻き起こした『ブレイキング・バッド』や『ベター・コール・ソウル』の生みの親、ヴィンス・ギリガンが手掛けるApple TVの最新SFドラマ『プルリブス』。

本作は、人類を強制的に「楽観的で満ち足りた状態=幸福」にしてしまう不思議なウイルスが蔓延した世界を舞台としている。

なぜか唯一”免疫”を持ち、不幸であり続けるベストセラー作家の主人公キャロルが、人類を救おうと奮闘する姿を描く。

 

 タイトルの「プルリブス」(Pluribus)は、ラテン語で「多数」という意味。

今年7月に「Happiness is Contagious(その幸せは感染する)」という謎のカウントダウンが始まり、謎の科学実験や、箱から取り出したドーナツを舐める人間の姿を映し出した不気味な映像が公開されてきた。

また、撮影地は「ブレイキング・バッド」「ベター・コール・ソウル」と同じニューメキシコ州・アルバカーキであることから、両作品とのつながりを予想する考察も白熱している。

Apple TV最新作。

Breaking Badはハマりにハマったのでコレもきっと面白いだろうと勝手に期待して飛びついた。

基本的に唾液で感染するウイルスを描いた作品のようで数年前のコロナ騒動をヒントにしているのかも知れないがあの悪夢を想起させるドラマでもある。

主人公は女性小説家に設定しているのは何か意味があるのかわからないがコレは期待させられる。

これ迄、比較的地味な作品が多かった印象のApple TVだがここに来てとうとう勝負に出たのかわからないが、満を持して問題作をぶっ込んできた感じがする。

皆が一気に感染するのに何故か感染しない主人公が描かれるが、こりゃ確かに恐ろしくこの世の終わりじゃないかと思わせる。

このウィルスに感染すると死ぬ者もいるが大多数は幸せになる不思議な症状に「変身」させられてしまうと言う設定もかなりユニークだ。

普通ならばウィルス感染者がゾンビになって襲い掛かって来ると言うのが何ていうかまあドラマの王道だろう(笑)。

このゾンビでもなくエイリアンでもない感染者達が一体何なのかがこの物語のキモになるのだが、斬新で見た事がない発想に驚く。

ウィルス感染者は互いに意思が通じ合い全員が一つの人類として繋がると言うキテレツな設定だ。

感染者は似たような良い人ばかりになるので何となく全員が宗教信者団体になったかのような世界観になるようだ。

ある意味では人類の理想とも言える全人類が並列化された世界だがコレで本当に生きる意味があるのか?と問いかけて来るかのようだ。

どういうジャンルの作品なのかわからなかったので探り探り見ていたがどうやらホラーと言うかスリラーだろう。

突飛な世界観ではあるが大昔、白黒だった頃の「ミステリーゾーン」の雰囲気にちょっと似ているような気がしたが、自分がまだガキだった頃の話しなので記憶違いかも知れない。

とにかくいわゆる良い人ばかりの摩訶不思議な世界に迷い込んでしまった小説家の話ではあるがコレがどのような展開をしてくれるのだろう。

何故か感染しないヒトが世界で13人存在するとかの設定も何かの意味があるのかとにかくコレだけ謎だらけのドラマも珍しい。

劇中に出てくる時間の概念がよく分からずにどれが過去でどれが現在か混乱してしまう。

ただ、確かにブレイキング・バッドと同様なニュアンスを感じさせるシーンも結構あってついつい引き込まれるように観てしまっていた。

主演はレイ・シーホーンと言う女優さんでこれ迄に見た事はないがブレイキング・バッドのスピンオフドラマであるベター・コール・ソウルに出ていたようでやはりブレイキング・バッド繋がりのようだ。

結局、並列化された感染人類と距離を置かれてしまい、ひとりぼっちでこの絶望的な状況を何とかしようとする主演のキャロルに段々応援してしまっている。

そのキャロルだが、最初こそ不安がっていたが次第にこの完全お一人様生活をエンジョイしていることに気づく。

ブレイキング・バッド同様の奇をてらった抑揚の効いた演出はドラマを飽きさせない効果があるようで、尚且つ謎が謎を呼ぶ展開はさながらLOSTを彷彿とさせる。

遂に登場人物が数人となる中盤はこんな展開自体が見た事がないので、ここ迄広げた風呂敷をどう回収するのかに興味は尽きない。

話数が進むごとに徐々に感染者達の秘密がわかってくるのだがこの設定がこの物語のキモになるので必死に食らいつく(笑)

地球上はほとんどの感染した共通認識の人々と感染しなかった数人に別れる展開でその非感染者がバラバラなのでまとまらない。

おそらくは非感染者の数人が団結して元の世界に戻すようになると思われるがその過程がなかなかに興味深い。

もしかして人類の理想とする「楽園」と言うのはこの感染者達のような全員が並列化されて通じ合う世界なのかも知れないが、確かに競争も争いもなくまさに理想世界なのだろうが、限りなく「家畜」に近い存在に見える。

とにかく不思議な世界が展開するドラマでコレだけ世界観が振り切ってしまうと収集させるのも並大抵では収まらないが一体どう落とし前を付けるのか興味がある。

主人公はレズビアンで並列化された感染者達に完全に取り込まれてしまうのだがこの先どうやって逆襲に打って出るのかモヤモヤが募る。

さてさてここから逆襲だ!というところでシーズン1が終わりとなってまさに椅子から転げ落ちるような気持ちになっておあずけを食らった気分だ(笑)。

それでもこれからに期待も込めて続編を期待したいと思うプルリブスだった。