黒さそり(さつま無双)
原材料 麦・麦麹・黒麹
アルコール分 25度
3年熟成・常圧蒸留・最小限の濾過。
「世に麦焼酎の分際で黒麹で仕込む馬鹿者があるという。黒さそり、こいつか。
なになに、昔ながらの常圧蒸留 なまいきな。
よく聞くと、長い間熟成させたらしいではないか。
ますますもってこしゃくな。
ちょっと飲んでみよう。う~ん、麦の風味をしっかり感じさせ個性的な味わい。それでいてまろやかで後ひく味わいではないか。
う~ん。これではわれわれの立つせがないではないか。
いやあ~まいった。 芋焼酎一同より」
と裏ラベルに書いてある。
酒職人ギルドなる酒屋さんたちが集まって組織されている団体が蔵元に発注しているいわゆるプライベートブランド焼酎で芋焼酎のもぐらが代表的ブランドのようだ。
念入りにキャップにまでもサソリがかいてあるし・・・
そもそも思想的に右寄りな自分にとってはサソリなんて生理的にムリなんだが(笑)
「麦酎でもがつんとひびきます」との封印の文字に心が踊る。
今回は720mlが欲しかったので近所のスーパーで1760円で購入したが定価はもっと安いようだ。
黒さそりの最大の特徴は何と言っても麦焼酎としては異例な黒麹仕込みってことに尽きるだろう。
少なくとも自分は黒麹仕込み麦焼酎はこれが初めてだ。
キャップのサソリのシールをはがすとなんて読むのかわからないこんな文字が・・・
開栓してみると想像していたよりも刺激はなくそれほど香りは立たない。
呑んでみるとコイツは表に書かれているほどガツンと来るタイプではないのでガッカリした。
でも単にすっきり飲めるその辺に溢れている麦焼酎とはやはり全く異なり黒麹特有のコクと苦さを伝えてくることが徐々にわかってくる。
そして最後に麦の香りが後から仄かに追いかけてくる感触は非常に興味深い。
第一印象でほぼ決まってしまう「清酒」「ビール」「ワイン」とかと違って焼酎は飲み始めと数日かけて720mlでも一本飲み終えた時とでは印象がかなり変わることが多いし逆に第一印象良くても評価がだだ下がりするものもある。
この現象はもしかしたら蒸留酒特有のものなのかもしれないが、少なくともこの黒さそりは最悪の第一印象から最後はかなり自分の中で評価が変わってしまった。
まだまだ修行が足りないようだ。