兼八原酒(四ッ谷酒造有限会社)
[蔵元] 四ッ谷酒造
[焼酎の種類] 麦焼酎
[原材料] はだか麦・はだか麦麹
[麹] 麦麹(白麹)
[蒸留方法] 常圧蒸留
[アルコール度数] 42度
[容量] 720ml
ついに念願の兼八原酒を手に入れた。
飲みたくてもなかなか見かけないプレミアム焼酎になってしまっている兼八の原酒だから更に手に入れにくい。
今回ラッキーにも定価で入手出来たがネット上などではこの倍くらいの値段で取引きされているようだ。
さて箱から出してみるとこれまでの焼酎のイメージを覆すかのような透明な洒落た瓶に入っている。
原酒ってくらいだから蒸留できたそのままのアルコールでなんと42度だ。
通常の焼酎が25度だから倍とは言わないまでもかなり強力なアルコールと言える。
なんでもアルコール度数と凍結温度はだいたい比例するそうで例えばビールなら-5度くらい、日本酒だと-15度でが凍結温度と言った具合だ。
だったらこの兼八原酒は-42度まで凍らないってことなので冷凍庫に入れてそのままストレートかロックで飲むってのが推奨されている。
さっそく丸1日冷凍庫にいれてみたが予想通り凍ってはいない。
小さなグラスに出してみると粘度が上がってドロっとしているのも無色透明だった兼八原酒が少し白濁しているのがわかる。
覚悟を決めてグイッと飲んでみたが昔ウィスキーをストレートで呑んだ時、口腔が焼けるような思いがしたがこの兼八原酒はそんなアルコールの刺激が皆無とは言わないが少なくとも不快ではない。
そんなことよりこの口の中で麦の旨味凝縮体が炸裂して粘膜に触れた部分から強烈な香りが立ち上り、そのまま鼻腔を掛けぬけていく様は酒と言うより何かの危ないクスリのようだ。
因みにこういう飲み方を「パーシャルショット」というらしい。
当然だけど通常の兼八が呑めないヒトは更なる強力版である原酒が飲めるはずもなくそういう意味では飲む人を選ぶ焼酎ではある。
ガツンとくるなんて生易しい表現じゃなくアタマをぶん殴られたような衝撃を体験できる。
この後、通常の兼八も飲んではいるのだが物足りないとは言わないがこの原酒とは用途が違う感じがする。
下手なウィスキーより異次元の面白さが日本の蒸留酒であるこの兼八原酒にはあるというのが偽らざる気持ちだ。