らをた広島

食べ歩きブログ

ボストン/サードステージ



ボストンのファーストアルバム・幻想飛行とセカンドアルバム・ドントルックバックに心酔した中学時代を経て高校→大学と進学しちょうど大学4年生になったころだったろうか。
何気に雑誌ぴあをペラペラめくっているとアメリカのビルボードランキングが目に飛び込んできた。
一位にBoston/ThirdStageと書いてある。
何度見てもBoston/ThirdStageだ。
すなわちアーティストはBostonでタイトルがThirdStage。
これはどうみてもボストンのニューアルバムに間違いない。
しかしセカンドアルバムからもはや8年の1986年。
二度オリンピックが開催できる年月だ。
セカンドアルバム発表後にボストンは来日し大々的な世界ツアーを行った。
しかしそれ以降目立った活躍はなくほとんど音信不通。
音楽雑誌にロックマンとか言うエフェクターを開発してるとかトムショルツのスタジオが浸水したとか次のアルバムとは関係ない地味な話題に終始したからなんとなく自然消滅って言うか解散したのかと思っていた。
それがここへ来て突然のビルボード一位にランキングされているなはホンマ驚いた。
時代はレコードからCDへと移り変わっていたので自分にとって初めて買ったCDがこのボストンのサードステージだったことになる。
むちゃむちゃワクワクして聞いてみると一曲目のアマンダから遥か昔に夢中だった例のめくるめくボストンワールドが畳みかけてくる。
透き通ったアコースティックギターとヘヴィーなエレクトリックギターとのアンサンブルは相変わらずで斬新なモノの提案は何もないがボストンが自ら確立したアメリカンプログレッシブロックの王道たるサウンドが展開する。
今は亡きブラッドティルプのハイトーンなヴォーカルも素晴らしい。
この時点でのボストンとはもはやトムショルツとブラッドティルプの二人の事なのだ。
要はファーストアルバム・セカンドアルバムからのウルトラスーパーワンパターンの応酬なのではあるがさすがにトムショルツが自ら確立したオリジナリティには揺るぎがない。
サードステージでも作詞作曲に加えヴォーカル以外のほとんどの楽器演奏だけでなく録音、マスタリングまでを自宅の地下スタジオでやってしまっているトムショルツ。
レコード会社はCDにして売るだけ(笑)
8年と言う膨大なスパンを経て今回ももノーコンピューター、ノーシンセサイザーの文字が誇らしげにクレジットされており逆にこれだけ緻密なサウンドを当時のアナログ器具を使いたった一人で紡ぎ上げたのは奇跡としか言いようがない。
しかしこの作品の発表は次回作までまた8年待たなければならないことを意味するのだった(笑)