ハリケーンの襲来でワニが入り込んだ家からの脱出劇を描くサバイバルスリラー。
ホラーの巨匠サム・ライミが製作を務め、『ピラニア3D』などのアレクサンドル・アジャがメガホンを取った。
『メイズ・ランナー』シリーズなどのカヤ・スコデラーリオが脱出を図るヒロイン、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』などのバリー・ペッパーがヒロインの父を演じる。
競泳選手の大学生ヘイリー(カヤ・スコデラーリオ)は、巨大ハリケーンの後、父(バリー・ペッパー)と連絡が取れないと聞いてフロリダの実家に戻る。
地下で大けがを負い気絶していた父を発見した彼女は、突如何者かによって地下室の奥に引きずり込まれ、右足を負傷してしまう。
家の中はどう猛なワニたちに支配されていた。
あの死霊のはらわたやスパイダーマンシリーズのサム・ライミ製作のホラーと言うことで観た。
クロールとはいわゆる水泳で言うところの自由型を指すことが多いがここでの意味は「這い回る」と言うことらしい。
要は巨大ワニに襲われるパニック映画。
主役とも言える巨大ワニはおそらくはCGだと思うが実に精巧に表現されていて映像に迫力がある。
あらしの日の浸水する家の軒下の狭い空間で起こるワニとの格闘戦。
ホラーらしくかなりグロいシーンもあって恐怖を煽る効果はバツグンなのだがご都合主義が過ぎる設定と演出でせっかくのワニの怖さも何処かに吹っ飛びまるでリアリティを感じられない。
何度も何度もワニに噛みつかれてもケガが「無かった事」になってるし仲間や脇役はちょっと水に浸かるとワニに寄ってタカられてバラバラになるのに主人公親子は平気で水を歩き回れるなどツッコミどころしかない始末だ。
映画としての作り込みが甘くディテールがグダグダなので最終的の見どころはまあワニのCGくらいになってしまうのが悲しい。
ラストに至ってはもう展開はむちゃくちゃで荒唐無稽という言葉がピッタリで日本の深夜ドラマ程度に成り下がる。
1時間半と短い上映時間がせめてもの救いで観終わったあと苦笑いしてしまったクロール -凶暴領域-だった。