らをた広島

食べ歩きブログ

レジェンド&バタフライ

尾張国織田信長(木村拓哉)は大うつけと呼ばれるほどの変わり者だった。

敵対する隣国・美濃国斎藤道三の娘・濃姫(綾瀬はるか)と政略結婚という形で出会った信長は、彼女と激しくぶつかるが、今川義元との戦で一緒に戦術を練ったことから二人は固い絆で結ばれるようになる。

そこから二人は、天下統一に向かって歩みだす。

『HERO』シリーズなどの木村拓哉が戦国・安土桃山時代の武将・織田信長を、『奥様は、取り扱い注意』シリーズなどの綾瀬はるか正室濃姫を演じる時代劇。

大うつけと呼ばれた若き日の信長が、尾張国と敵対する美濃国濃姫と政略結婚をし、やがて天下統一を目指す。

監督を『るろうに剣心』シリーズなどの大友啓史、脚本を『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太が担当する。

公開されてたった4ヶ月でAmazonプライムビデオで配信されたキムタク主演の話題作。

ただ東映創立70周年祈念作品と高額な予算をかけキムタクと綾瀬はるか主演で派手に宣伝した割には興行成績は振るわなかった、ドコロか実際は大ゴケしたのでネット配信で少しでも元を取ろうとの魂胆が丸見えではある(笑)

知人がこの作品を劇場で観たので感想を聞いたがイマイチだったと話していたのであまり期待しないで観た。

タイトルの「レジェンド」は織田信長のことで「バタフライ」は信長の正室濃姫を意味するそうな。

日本の歴史物で手堅いのは戦国と幕末と言うがその中で特にガチなのが信長、秀吉、家康と坂本龍馬だろう。

その中でも織田信長は人気、知名度とも抜群で普通に描けば外れるなんてあり得ないんじゃなかろうか。

綾瀬はるかがどれくらいの身長かわからないが引いた絵を観るとキムタクとそれほど背丈が変わらないように見えて正直ちょっと残念な感じはする。

何を演じてもキムタクとよく言われるが今回もご多分に漏れず何時ものキムタクで自分が持ってる織田信長のイメージとは程遠い。

予算の掛かった戦国物である以上当然ながら大掛かりな合戦シーン(特に桶狭間の戦い長篠の戦い)を期待してしまうが、実際に描かれるがのは小競り合い程度で基本的にキムタクと綾瀬はるかの恋愛物と言うのがこの作品の本質のようだ。

キムタクも若い頃なら惚れた腫れたも様になっただろうがもう50も超えたオッサンになるともう少し役柄や演技に幅が出ても良さそうなもんだがどうなんだろう。

明智光秀役の宮沢氷魚織田信長を演じたほうが細面の長身でそれらしかったんじゃないかとすら思ってしまったほどだ。

それに誰が演じているのかわからないほどの徳川家康斎藤工だとはエンドロールで知ったがココらへんの役者とキムタクとの実力差は如何ともし難い。

テレビドラマでもシリアスな役をやって視聴率で苦労しているようだが晩年の田村正和のようにコミカル路線の方が良いんじゃなかろうか。

3時間近く上映時間のある大作ではあるが中盤からは信長の苦悩を描くキムタクの痛い演技が周囲と落差があるように感じられ半分観た所でまだ後1時間半もあるのかと辛くなった。

合戦が描かれない戦国時代の恋愛物という不思議なジャンルにこの映画のターゲットは誰なのかサッパリわからないのが興行的に苦戦した原因とも推察される。

本能寺に於ける明智光秀の謀反の原因も言及が甘く、信長最大の見せ場の合戦シーンもスケールが小さく中途半端だ。

ただ作品として巷で言われているほど酷い内容だとは思わないがキムタク出しときゃソコソコ当たるというのはもう年齢的にもキツイという事実を証明してしまったように感じられてしまったレジェンド&バタフライだった。