らをた広島

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アイアンメイデン/鋼鉄の処女

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高校の頃にリリースされたイギリスヘヴィーメタルロックバンド衝撃のデビューアルバム。
アイアンメイデンとは中世の有名な拷問器具の名称らしい。
なんとまあ奇天烈なアルバムジャケットデザインに目を奪われるが内容は更にエキセントリックだ。

ランニングフリーインストゥルメンタルトランシルバニアなどのひたすらヘビメタ路線の楽曲がならぶがやはりこのアルバムって言うかアイアンメイデンのハイライトは誰がなんといおうとオペラの怪人である。
この7分を越える大作はロック史に燦然と輝く金字塔と言っても決して言い過ぎとはならない。
アイアンメイデンのサウンドの特徴は二台のギターによる疾走感溢れるドラマチックなアンサンブルだ。
そういう意味では他のバンドと決定的なアドバンテージを持っているワケではない。
だがこの鋼鉄の処女の中で見せたメロディーラインの美しさやプログレッシブロックにも通じるエモーショナルな曲展開はこれまでにないアヴァンギャルドさだった。
ヴォーカルパートとギターソロパートはテンポまで異なる違う曲が突然繋がったような進行をし更にギターパートは発展しスローナンバーからミディアムへと変化しまたヘヴィーパートへと輪廻していくギターオーケストレーションは見事と言うしかない。
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クラシックの組曲のような壮大さだが緻密に計算されていて息をもつかせない。
レッドツェッペリンやディープパープルが作り上げたブリティッシュハードロックは一時期のパンクロックの洗練を浴びてやがてアイアンメイデンによってブリティッシュヘヴィーメタルロックへと昇華していったのだった。
ただこのアイアンメイデンも幾多の一気にブレイクしたバンド同様に激しいメンバーチェンジを繰り返すたびにこのデビューアルバム当時の輝きを失っていく。
アイアンメイデンもまたあのキングクリムゾン同様デビュー作が最高傑作だった。