らをた広島

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クイーン/オペラ座の夜



中学生の友人の中にとりわけこのクイーンのファンがいた。
当時クイーンは一年に一アルバムをコンスタントにリリースしており最初本国イギリスでは評価されず日本から人気に火がつき世界的なロックバンドとして認知されるようになった。
最初はそのルックスからアイドル的なミーハー人気だったと思うがそのポテンシャルは相当なモノだった。
メンバー全員が大学院卒のインテリア軍団という触れ込み、また4人とも作詞作曲をし全員が曲を提供している点、ベースのジョンディーコン以外は皆リードボーカル出来るなど稀有な存在であることがわかる。
フレディーマーキュリーの卓越し且つ個性的なヴォーカルは特筆に値し彼の作り出すエモーショナルな楽曲と相まってクイーン独自の世界を構築していたのは間違いない。
またギタリストのブライアンメイは天文物理学博士号をもち、それとどういう関係あるのかわからないが自宅の1世紀前の暖炉の木を使ってお手製のマイギターを造る。
まあアタマ良いヤツは何でも出来るということか。
かくして出来上がったブライアンメイのギターはフェンダーストラトキャスターギブソンレスポールらの定番ギターと一味違う既製品では真似のデキない非常にオリジナリティ溢れる音色を奏でクイーンサウンドは確定する。
このオペラ座の夜はクイーンの代表曲であるボヘミアンラプソディが収めされているがメンバーのバックヴォーカルを多重録音しあたかも大合唱隊がコーラスしているかのような音作りは後にジャーニーなどを手掛けるプロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーが得意とするものでクイーンサウンドの代名詞となった。
ただクイーンのこのアルバムにはクラシック、ジャズ、ダンスミュージック、ハードロック、バラード、デキシー、カントリーミュージックなど多種多様な楽曲が入っておりそれが高度にバランスされどれもが破綻することなくバンドとしてのテーゼを貫いているのはさすがだ。
このアルバムの一年後、クイーンは同一コンセプトをもう少し発展させた「華麗なるレース」を発表する。
このアルバムもファンの期待を裏切らない出来ではあったがこれまでの路線と決別しよりオリジナリティのある「世界に捧ぐ」へと昇華されるこの時期がクイーンというバンドの全盛期だったのがもしれない。